第3話 黒曜の砦とティアラの救出

パンケーキハウスで迎えた朝。マフィン窓から差し込む朝陽が室内をオレンジ色に染め、チョココロネ煙突から漂う甘い香りが森の空気と混ざり合う。ドーナツテーブルの上には、パンちゃんが錬成術で作った焼きたてパンケーキが山盛りで、シロップがトロリと垂れる。


パンちゃんが「マフィン爆弾持ったよー!」と両手に巨大マフィンを抱えて跳ね回る。小麦色の三つ編みがピョンピョン揺れ、その元気な声に私は目を覚ます。カイルが「物騒すぎる!」と呆れ顔でクロワッサン椅子から立ち上がり、「朝から爆弾って何だよ!」とツッコミ。


私は「パンちゃんのマフィンなら一撃で敵をやっつけちゃうよ!」と笑う。


パンちゃんが「今日は餅を使って作るよー!」と突然提案すると、カイルが「俺また餅で転生か!」と呟く。私は「餅パンってなんか回復アイテムっぽいね!」と「パチパチ!」拍手するけど、ミャウリンが「餅って何にゃ?」と首をかしげて和む。薄紫髪のリボンが揺れ、肉球模様のメイド服が朝陽にキラキラ光る。


私は「餅はね、こう…モチモチした食べ物だよ!」と説明しつつ、パンちゃんが「モチモチパンケーキ!」と錬成術で餅入りのパンケーキを「ドーン!」と出現させる。テーブルが「ガタッ!」と揺れ、カイルが「やめろ! 俺のトラウマが蘇る!」と叫ぶ。


私は「カイル、餅パワーで強くなれるチャンスだよ!」と励ますけど、カイルが「そんなパワーねえよ!」とじたばた。


ミャウリンが「にゃむっ! 美味しいにゃ!」と餅パンケーキを頬張り、「カイルお兄ちゃん、元気出るにゃ!」と笑顔で言う。カイルが「…まあ、ミャウリンが言うなら食うか」と渋々一口かじり、「う、意外と悪くねえ…」と呟く。


私は「よし、朝食でテンションMAXだ! ティアラお姉ちゃんを助けるぞ!」と拳を「グッ!」と握る。


パンちゃんが「そうだよー! ティアラ姉ちゃんを助けるなら、このパンケーキハウスごと黒曜の砦に近づけちゃうよー!」と目を輝かせる。


私は「え、パンちゃん、それどういうこと?」と首をかしげる。


パンちゃんが「見ててねー!」とドーナツテーブルに手を置き、「パンケーキ・ドライブ!」と叫ぶと、床が「グググッ!」と振動し始めた。

マフィン窓の外の景色が動き出し、パンケーキハウス全体が「ガタガタ!」揺れながら森の中を進み出す。


私は「うわっ! パンちゃんの錬成術で動くの!? すごいよ!」と驚く。


カイルが「何!? お前、ハウスまで動かせるのか!?」と目を丸くし、ミャウリンが「にゃ! おうちが走ってるにゃ!」と尻尾を「ブンブン!」振る。


パンちゃんが「簡単だよー! 黒曜の砦まで一直線だよーゴーゴー!」と得意げに笑う。私は「パンちゃん、天才すぎる! これでティアラお姉ちゃんにすぐ会えるね!」とパンちゃんをなでなでする。


パンケーキハウスが森を抜けて黒曜の砦の近くへ向かう。木々の間を抜ける風が涼しく、葉っぱがガサガサ揺れる中、ハウスが「ガタガタ!」と進む音が響く。遠くに黒い影がそびえ立ち、砦に近づくと、黒曜石のような壁が陽光を吸い込み、尖った塔が空を突き刺す。


私は「うわっ、敵の拠点って感じだ! ガーゴイルかっこいい!」と興奮する。


砦の屋根には石像のガーゴイルが睨みを利かせ、赤い目が不気味に光る。


パンちゃんが「彩華姉ちゃん、あれ動くかな?」と指さし、私は「動いたら一気にボス戦だよ! ありえる展開だ!」と目を輝かせる。カイルが「動かねえよ、ただの飾りだろ!」とツッコミを入れる。


パンケーキハウスが砦の近くで「ガタン!」と止まり、森の出口でフラッピーバットが「バサバサ!」と襲ってくる。黒い羽がバタつき、鋭い爪を振り回す姿が木々の間を飛び回る。

私は「敵襲だ! 雑魚キャラの登場きた!」と剣を「シュッ!」と構えると、パンちゃんが「巨大マフィン爆弾!」と叫び、マフィンを「ドーン!」と放つ。

甘い香りが広がり、マフィンがフラッピーバットに直撃して「バサッ!」と潰れる。私は「パンちゃんの攻撃は避けられないよ!」と笑う。


残りのフラッピーバットがマフィンをつつき始める。カイルが「何!? 敵が餌付けされてるのか!?」と驚く。

私は「食事中に悪いね!」と剣を振るい、残りのフラッピーバットを「ウィンド・リパルス!」で「バサッ!」と吹き飛ばす。

木の枝がバサッと揺れ、フラッピーバットが森の奥に転がっていく。

私は「よし、砦に突入だ! ティアラお姉ちゃん、待っててね!」と気合いを入れる。


黒曜の砦の入り口は、鉄の門が重々しく構える。私は「ストームダッシュ!」と叫び、風を「シュン!」と纏って門を飛び越える。仲間たちが後ろから続き、パンケーキハウスの甘い香りが一瞬だけ漂う。砦の中は薄暗く、壁に嵌められた松明がチラチラ揺れ、石の床に足音がコツコツ響く。私は「ゲームの砦って感じの雰囲気だ! テンション上がるよ!」と目を輝かせる。


大広間にたどり着くと、鎖に繋がれたティアラと牢に閉じ込められている住人たちが目に入る。ティアラは長い銀髪に星の髪飾りをつけ、白と青のローブが煤で汚れている。住人たちは怯えた顔でうずくまっていた。ミャウリンが「ティアラお姉ちゃん!」と叫び、駆け寄ろうとするけど、大きな影が立ち塞がる。


「お前らはここまでだ!」とバルド・ヴェルディスが登場。


茶色のローブに赤いスカーフを巻き、腰に銀の笛が揺れ、首に魔石が嵌められたネックレスが怪しく光る。

私は「あなたの仕業ね!」と叫ぶ。


バルドが「俺はバルド・ヴェルディス、勇者様の命でここを管理している。この砦はお前らの檻だ!」と笛を吹き、「ピリリ~!」と音が響くと、フラッピーバットとスパイクホッグが「バサバサ!」「ガルル!」と現れる。


フラッピーバットが私たちの周りを飛び回り、スパイクホッグのトゲがギラギラ光る。私は「モンスターなら遠慮なく攻撃できるね!」と笑う。


ミャウリンが「許さないにゃ! お姉ちゃんを返せにゃ!」と拳を握り、カイルが「こいつ自分は戦わないのか」と呟く。


バルドが「黙れ! ハーレム計画を邪魔する奴はモンスターの餌だ!」と叫び、魔石から黒い霧が「シュゴー!」と広がる。

私は「あなたはモンスターとハーレムしてなさい!」とツッコミを入れる。

バルドが「やれ!」と腕を振り下ろすと、フラッピーバットとスパイクホッグが一斉に襲ってくる。大広間の石壁に咆哮が反響し、松明の炎が「ユラユラ」揺れる。


カイルが「カレースパイスミスト!」と叫ぶと、カレーのスパイスの効いた霧が「モワッ!」と立ち込め、モンスターだけでなくみんなが「ゲホッ!」と咽せる。


「カイル何やってるのよ! 味方に当たってるわ、街の人も咽せてるじゃない!」と怒ると、カイルが「すまん! 風向きミスった!」と慌てて謝る。


咽せながらパンちゃんが「クロワッサンミサイル!」と叫び、両手でクロワッサンを「シュッ!」と投げる。甘い風が「フワッ!」と吹き、ミサイルが「シュパパパーン!」と空中のフラッピーバットに炸裂し吹き飛ぶ。


突撃してくるスパイクホッグをミャウリンが「ニャンニャン乱打にゃ!」と叫びながら「バシバシ!」と蹴散らす。


私は「パンちゃん、ミャウリン! 一掃しちゃったじゃん! カイルはお仕置きね!」と笑う。

バルドが「この群れを一掃するのか…!」と驚く。


私は「ストームダッシュ!」と叫び、バルドに「シュン!」と接近、「スキルアブソーブ」と言いながら手を前に突き出し、魔石から放たれる魔力を吸収。体が一瞬重くなり、魔力が「グルグル!」と渦を巻く感覚が走る。


私が「吸収した力、返すよ!」と剣を「シュッ!」と振り、「ウィンド・リパルス!」で首元の魔石に衝撃波を「ドンッ!」と叩き込む。

魔石が「パキン!」と割れ、辺りを覆っていた黒い霧が「スーッ」と消える。バルドが「何…俺の魔石が…!」と焦るその時、天井から「ゴゴゴ…!」と不気味な音が響く。


見上げると、ガーゴイルが赤い目を「カッ!」と光らせ、「ガァァ!」と飛び上がり、後ろから襲いかかってきた。私は「うわっ! ガーゴイル動いた! やっぱり動いた!」と叫ぶ。バルドが「よし、闇の炎で燃やしてしまえ!」と笛を「ピリリ~!」と吹き命令。


ガーゴイルの口から黒い炎が「ゴォオ!」と噴き出すが、突然「ドカーン!」と爆発し、石の破片がバラバラと飛び散る。

バルドが「何が起こった!?」と混乱し、私は「え、パンちゃん何かした!?」と振り返る。


パンちゃんがニコニコしながら「さっき、ガーゴイルの口に餅パン食べさせたのが爆発したみたいだよー!」と報告。


私は「餅で死ぬなんて、カイルと同じじゃん!」と爆笑。


カイルが「やめろ! 俺のトラウマを掘り返すな!」と顔を赤くして叫ぶ。


バルドが呆然と呟く。「餅か美味しそうだな…。」

私は「バルド、今それ言う!?」とツッコミを入れつつ、ガーゴイルが「ドサッ!」と崩れ落ちるのを見届ける。バルドが「俺の負けだな…」と観念し、笛をポトッと落とす。私は「これからは正しい道を歩んでね!」と優しく言う。バルドが「…ああ、お前らの強さに目を覚まされたよ」と呟き、静かに頭を下げる。


ミャウリンが「にゃ! お姉ちゃん助けるにゃ!」と鎖に「ニャンニャン乱打!」を繰り出し、鎖が「ガシャン!」と砕ける。ティアラが立ち上がり、「ありがとう…ミャウリン」と微笑む。私は「ミャウリン、猫パンチ強すぎ! ビックリだよ!」と感心し、パンちゃんが「やったよー!」と跳ねる。


鎖が外れたティアラが「スターキャンディ!」と呟き、手を振ると星型のキャンディがキラキラと輝きながら飛び散る。


砦の衛兵たちが「う…眠い…」と「ドサッ」と倒れ、甘い香りが大広間に広がる。


街の住人たちが「助かった!」と歓声を上げ、私は「ティアラお姉ちゃん、魔法可愛すぎ! これで一件落着だね!」と目を輝かせる。


ティアラが「勇者の企みを止めねば…彼は魔石で世界を支配しようとしてる」と告げる。銀髪が揺れ、紫の目が決意に燃える。

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