第17話夏の定番ってみんな大体いっしょ

タニヤマ「夏だなぁ。」


ソトナカ「夏やねぇ。」


タ「あーなんか暑くて裸になりたいくらい。」


ソ「ちょっwwそれアニメ星のカービィ第89話『オタアニメ! 星のフームたん』のセリフやないかいwww急にやめろしwww」


タ「え?なんて?」


ソ「あ、いや…なんでもないです…。」


タ「なんかそういう夏の定番?みたいなやつなん?」


ソ「いや、忘れてください…。」


タ「ふーん、てか夏だしウォーターボーイズ見たいわ。」


ソ「うわなっつ。小学生のころ毎年見てたわ。」


タ「あと、サマーウォーズも見たい。」


ソ「夏の定番やな。」


タ「ソトナカは、夏といえばこれ!ってやつある?」


ソ「う~ん、ポケモン映画かな。」


タ「ガキで草。」


ソ「いや、毎年映画館行って幻のポケモンもらっててん。俺のオヤジとの唯一の思い出やねん。」


タ「この話題から気まずい方向に持っていけるのすごいな。じゃあ、夏の定番の曲といえば?俺は湘南乃風の睡蓮花。」


ソ「う~ん…Def TechのMy Wayかな。」


タ「いや渋っ。いい曲やけど、夏歌か?」


ソ「夏休みにばあちゃんち行く時、オヤジが車でかけてた曲やねん。」


タ「唯一の思い出2個目やんけ。じゃあ夏祭りの屋台といえば?俺はやっぱかき氷かな。」


ソ「俺は、芋煮かな。」


タ「夏祭りで?」


ソ「うん。オヤジが買ってくれたんや。」


タ「めちゃくちゃオヤジと仲いいやんけ。家族円満やんけ。」


ソ「いや、そうでもないよ。」


タ「てか、お前の夏の定番ってなんかずれてない?」


ソ「我が道を進んでんねん。My Wayだけに。」


タ「やかましいわ。それにしても、夏休みなのに何もすることないな。」


ソ「子供の頃みたいに遊びたいな。」


タ「確かにな、プール行きたい。」


ソ「大人用の底が深いプールに間違って入ったりな。」


タ「海も捨てがたいな。」


ソ「クラゲに刺されたりな。」


タ「やっぱずれてんなお前の夏の定番のイメージ。なんでそんな微妙な例しか挙げれないん?」


ソ「夏の定番なんてみんな大体いっしょやろ。」


タ「ずれてるやつにそれ言われてもな。てか、せっかくやしアマプラで夏っぽい映画でも見るか。俺、新海誠作品見たい。」


ソ「ええで、天気の子以外なら。」


タ「なんで?俺、あれが一番好きやねんけど。」


ソ「いや、家出した主人公を世話してくれるおじさんおるやん?小栗旬が声優してた。」


タ「ああ、はいはい。」


ソ「あれ、俺のオヤジと似てるんよな。」


タ「どの辺が?」


ソ「自分の子供とたまにしか会えんところが。」


タ「は?」


ソ「うちのオヤジ、俺が小さいころに浮気したのがばれて、ずっと別居中やねん。」


タ「この話題から気まずい方向に持っていけるのすごいな。」


ソ「離婚してないだけで、家族仲は完全に冷え切ってんねん。」


タ「夏には丁度いいな。」


ソ「やかましいわ。」

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