鳥だ、飛行機だ、異世界人でした⁈

来世よりも今世

第1話空を見れば

「おーい、兄ちゃんヘルメットはちゃんと顎紐付けろ、仕事が終わっても現場に居るんだ、監督に見つかったら説教されるぞ」

そう声をかけられ注意したおじさんに軽く会釈をしながら顎紐を付ける

空を見上げたら

青空に小鳥が飛んでいた。


「あー早く片付けて、さっさと帰りましょうかね」

「だな、今日も頑張ったんだ早く帰ってビールが飲みたい」

「お前、俺が今禁酒してるの知ってて言っただろ?」

「あっ、素で忘れてましたw」

「この野郎、まったくお前はデリカシーってもんがないのかね」

現場のプレハブで談笑してる人達の会話を聞きながらヘルメットを外した。

「ハハハ(おまゆう)こっち終わりましたんでお先します、ご苦労様でした」

「おう兄ちゃん、気をつけて帰れよ」

「失礼します」

また軽く会釈をしてプレハブを出た

原付に跨り、ハンヘルの顎紐をしっかり付けて空を見上げたら

夕日に飛行機が飛んでいた


(あー死にそう今日は、死にそう、マジで死にそう、なんなんだよ今日の仕事量、一体何十往復したんだよ。今日の現場5階だよ死ぬってマジで)

そう心で叫びながらアクセルを回す

一刻も早く帰って風呂入ってご飯食べて寝たい。その願望だけが今の身体を動かす原動力だ家まで30分、事故らないように気をつけながら、原付を制限速度で走らせる(大事な事だからもう一度制限速度で走らせる)

空を見上げたら

いや、よそ見運転だから走行中はやめよう


無事帰宅して

「ただいま、風呂できてる?」

「おかえり、出来てるから入ったらご飯早く食べちゃってそしたらお母さん片付けできるから」

「はいはい了解」

「はいは一回」

「・・・」

パッパっと脱いでシャワーで掛け湯をして湯船につかり疲れをとる

この世に生を受けて28年小中高と公立の学校に通い就職10年目大学は考えてなかった一人暮らしは考えたが就職先が同じ市で家賃やら光熱費を考えたら実家が1番だった・・・ちゃんと家にお金は入れてます

まぁ彼女も出来た事ない俺には、一人暮らしはあまり魅力がなかった

だって家事は一通りできる(母の教育のたまもの)けど毎日するのは大変だ母もそれは承知で家では休日の人が家事担当だ

基本は母が週3パートで父は週5勤務俺も週5勤務だからうまい具合にシフトを調整して家事が成り立ってる合わない時は要相談だ

っとさっさと頭と体を洗って出るとしますかね

ふと見上げれば

水滴が鼻に当たった


風呂から上がり母特製カレーとポテサラを食べて一息ついていると父が帰ってきた

「ただいま」

「お帰りなさいあなた、ご飯にする?お風呂にする?それとも」

「お前一択だよ」

「はい、早くお風呂とご飯食べてください(なんで俺一人っ子なんだ?)」

「おう」

「あら」

「ごゆっくり」

そう言いながら2階の自室に上がりべットにダイブした携帯を充電器に挿して連絡が来てないかチェックする・・・

「はぁ〜久しぶりに遊びに行きたいな」

温泉か観光か釣りやキャンプもいいなぁ誰か誘って行ってみるか?

いや今の現場が終わるまでは体力的に無理だな足がプルプルしてる

明日が休みなのが救いか?よっこらしょっと体を起こしてベットに座りぼーっとしながら脳内で遊び惚ける・・・なんか虚しくなってきた

窓に目を向ければまだほんのり明るい夜空に星々が見え始めていたなんとなく星を眺めながら空を見る

そこには人が立っていた。




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