とあるスパイになりたい少女の物語
@omuretutu
第1話 スパイみたいなのやってます。
ここら辺の題名を読んで
「えっ本当にスパイやってるの!!」
って思ったかもしないけど、わたしは本当のスパイをやっているわけではない。まぁスパイみたいなことをやってる。あっ 名前言い忘れていたね。わたしの名前は結愛。わたしは、スパイという存在にあこがれた。きっかけは、中学生の時だった。
「A君の好きな人って知ってる?結愛、私彼のことが好きなの。」
と聞かれて、
「ごめん、A君の好きな人は知らないな...」
と答えた。暇だし親友のためにも調べてあげようと思い、仲が良い女子たちに聞いてみた。しかし、誰一人知らないようだ。つまり、『A君の好きな人』という情報はとても価値が高いことに気が付いた。そこで、割と仲がいい翔という名前の男友達に聞いてみることにした。
「翔、A君の好きな人って知ってる?」
「Aのことか、知ってるぞ」
「教えて」
「いやだ」
「どうしたら教えてくれるの?」
「う~ん じゃあ、シャーペンの芯10本でどうだ?」
かわった対価を要求してきた。
「別にいいよ」
「AはBちゃんのことが好きなんだ。本人がこの前言ってた。」
「ありがとう翔」
あ~結局、両想いじゃないパターンだったんだ~
でも、可能性はあるから一応伝えちゃうか。
「わかったよ、A君の好きな人」
「えっ 嘘、分かったの?」
「うん 心して聞いてね」
「Bちゃんのことが好きだって。あ 悲しまないで、可能性はあるから」
「そうだよね。ありがとう」
ちょっと悲しい結果になったけど、まあいい。これが現実だ。それにしても、情報を探るってなんかワクワクするな。
そう、これが始まりだった。
男子との人脈があるという理由から翔と協力するようになって、好きな人調査の依頼を何回かたのまれた。
中学3年になったころ、受験が控えているということでみんなテストの点数のことばかりを気にしていた。なぜなら、テストの点数が成績になって、高校入試のカギとなるからだ。そこで、わたしは思いついた、
(テストの答えを予想してみよう!)
例えば、社会だ。123組と45組の担当の先生は違うから、それぞれの先生が「テストに出るよ」って言ったところを合わせてみればいい。わたしは3組で翔は4組だから可能だね。この計画に翔は賛成してくれて、本格的に実行することになった。いままで、授業をろくに聞いてこなかったわたしは頑張って寝ないで授業を聞いて、先生が授業で「ここ絶対でるぞー」といったところをメモしていった。休み時間、
「翔どうだった?わたし、久しぶりに寝ないで授業受けたよ~ほんとに疲れた」
「起きてれば、授業態度Aになれるんだぞ。まぁ結愛は、頭いいから授業聞かなくてもどうにかなるんだけどな」
「それと、あの計画はどう?先生が重要って言ったところをメモしたやつちょうだい まとめるから」
「サンキュー」
おお翔なりには、うまくまとめられてるではないか。よし、家帰って1枚の紙にまとめようっと。次の日、
「結愛、思いついたんだけどその紙を1枚100円で売ったらどうだ?」
「そうだね、需要は高いから儲けられるかも
よし、翔は男子たちに売って、私は女子たちに売るから。」
「OK いくら儲けられるかな」
1週間後
「えーっと、俺は2800そっちはいくら?」
「4200」
「すげー 後は、小テストで俺たちの予想が当たるかどうかだな」
「うん」
「でも、全部予想が外れてみんなから『金返せ詐欺師!』とか言われたらいやだな」
テスト当日お金を出して予想を買った人は、暗記して対策をした。
ついに、テスト返却
結局外れたところもあったけど、予想の7割はテストにでた。
わたしは、とにかくスパイみたいでかっこいいと思いながら任務を楽しんでいた。
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