第16話 異世界の秘密

次の冒険の途中、少し疲れを感じたカズマとめぐみんは、一緒に休憩を取ることにした。ふたりは木陰に座りながら、時折笑い合い、少しだけリラックスした時間を楽しんでいた。


「カズマ、実は私、ずっと気になってたことがあったんです」


突然、めぐみんが真面目な顔で言った。


「なんだ?」


「カズマが言ってたこと、あれ本当なんですか?」


カズマはちょっとびっくりして、めぐみんの顔を見た。


「言ってたこと? 何のことだ?」


「あなたが、私たちがいるこの世界じゃなくて、別の世界から来たって話」


その言葉にカズマはしばらく黙り込み、そしてついに口を開いた。


「そうだよ。俺は……日本っていう場所から来たんだ」


めぐみんは驚きの表情でカズマを見つめる。


「それって、どういうことですか?」


カズマは少し黙ってから、ゆっくりと話し始めた。


「実はな、俺は一度死んだんだ。日本っていう世界で、普通に生きてたんだけど、ある日、事故で命を落としてしまったんだよ」


めぐみんは目を見開き、驚きながらも、カズマの言葉に耳を傾ける。


「その後、目を覚ましたら、あの女神アクアが目の前にいたんだ。アクアは俺に言ったんだ。『異世界に転生させてやる』ってな」


「つまり、カズマは死んで、アクアによってこの世界に転生したんですね?」


カズマは頷いた。


「そうだ。最初は信じられなかったけど、アクアが言うには、この世界に来ることで、俺が何か大事な役目を果たすことになるらしい。まぁ、結局俺が転生してきた理由は、あの女神の気まぐれみたいなもんだったけどな」


めぐみんは少し考え込み、そして言った。


「カズマが異世界に転生した理由って、そういうことだったんですね。でも、どうして私たちと一緒に冒険を?」


「その理由は……まぁ、アクアが言うには、俺に特別な力があるかららしい。だけど、俺自身はその『特別な力』がなんなのかはよくわからない。だから、こうしてめぐみんやみんなと一緒に冒険しているんだ」


めぐみんはしばらく黙って考えた後、静かに言った。


「でも、カズマがこの世界に転生してきたからこそ、私たちは出会えたんですよね。私、今、すごく感謝してます」


カズマはその言葉に少し驚きながらも、照れくさそうに答えた。


「それは、俺もだ。転生してきてから、こんなに楽しいことが続くなんて思ってもみなかったからな」


その言葉に、めぐみんは嬉しそうに微笑み、少し顔を赤らめた。


「じゃあ、カズマが異世界に来てくれて、本当に良かったですね!」


カズマは少し照れくさく、そして軽く笑った。


「まあな。でも、今はお前と一緒にいられることが一番嬉しいよ」


めぐみんはその言葉に胸を躍らせ、そしてまた照れたように微笑んだ。


「私も……カズマと一緒にいるのが嬉しいです」


その瞬間、カズマの胸は少しだけ高鳴った。

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