カクヨムは勿論、世の中には今や様々なweb小説が溢れていますね。
己の趣味として提示する人、心を落ち着かせる為に場を使う人、そして商業作家として活動するために作品を発表する人。
様々な人々が集うからこそのweb小説。
この作品は、まさにそのweb小説においての実験なのでございます。
おぞましい殺人現場、残された謎、それに立ち向かう刑事バディ。
でも、ちょっと待って?
なんか途中途中で異様に説明的に商品名出てない?
いや、商品名出てるよね?
これ、なんで商品名出てるの?
そんな戸惑いを感じたあなたは、すでに作者様の手中のはまっているのです。
そう、これは実験小説。
そして、作品全体を通してこの一言に尽きるのが「スポンサー」。
戸惑い、刮目し、読み進めた先に我々は何を見るのか?
是非ご一読ください。
きっと最後には「清清した!」の意味をとても理解することができますよ。
最近はタダで手に入るものが増えました。ニュースしかり、データしかり、ソフトしかり。
本来のサービスを無料で提供する代わり、広告で稼ぐというパターンですね。
手口はいろいろ。必ず見せるとか、併せてダウンロードさせるとか……
あ、小説もタダでしたね。
逆に言えば……手っ取り早く収益化するなら、同じことをすればいい。
必要なのは書籍化ではなく、スポンサー。
ということで試みられた本作。
小説と宣伝、意外と相性よさそうですよ?
どんなに美辞麗句を書き連ねたって、誇大広告にはなりません。だってフィクションなんだから。
でも金にならなくなったら、見切りも必要。損切りってヤツですね。
作中に実例が載っているので、むしろ読まなきゃソン。
広告の付き具合で二転三転する心情。
ご都合主義? 無理筋? 伏線? いっさい関係ありません。
だって……フィクションなんだから。
読み終えたとき、思いました。
踊らされているのは誰なのか、と。
キャラや原作者? それともスポンサーあるいは――――
現代社会を支配する力へのアンチテーゼを投げかけています。
ですからお星様は、あえて二つ。
この「稼ぎ方」が広まってしまったら困りますからね。
第一話からドッカンドッカン笑わせてくれる作品です。
新感覚! まさにその言葉がぴったりの、新しい笑いを提供してくれること請け合いです。
物語は、とある事件を追う刑事たちにフォーカスを当てて進められます。
どんな事件が起きていて、果たしてその真相はいかに。
……などということは、これという問題ではない!
肝心なのは、物語が始まる前に表示される、「とあるスポンサー」の名前。
スポンサー? なんのこと? 小説にスポンサー???
そう思いながら読み進めると、「なるほど、そういうことか!」と笑いがこみ上げることに。
この作品は新感覚のWEB小説であり、これにはなんとスポンサーが存在する。
そして、スポンサーと言えば、ドラマの中で登場人物が缶コーヒーを飲んだり、ガムを噛んだりするシーンが出てくるのが基本。
有名なところでは「古畑任三郎」の中でキシリトールがスポンサーだった時、某今泉刑事が「これは体にいいんですよ!」とかわざわざ口にしたシーンが印象に残っている方も少なくはないはず。(あと、「サ〇エさん」で車の宣伝やり過ぎちゃって炎上しちゃった黒歴史も……)
スポンサーの存在は物語にも大きな影響を与える。いわゆる「大人の事情」によって振り回されてしまう作中人物たちの運命。
これは映画「ラヂオの時間」や「カメラを止めるな!」にも通ずる楽しさ。
スポンサーありきで進む物語。だが、スポンサーを大事にするのは、彼らが「金」を出している時だけ。
突如出現する、強烈な手のひら返し。それはまさしくドリルの如き! 男のロマン!!
エゴ! まさにエゴ! ここには金の亡者がいる! 汚い大人の事情がある!!!
ここでしか味わえない新感覚小説、とくとご覧あれ!
(提供:ギンギン・バーガー)
短編の名手、SB亭moya さんの新作が完結致しました。
とても斬新なアイデアに溢れた好編でした。
この小説にはスポンサーがついています。ハンバーガーチェーンや、携帯電話会社や、24時間スポーツジムなどです。
登場人物の刑事二人は、難しい殺人事件の解明に挑んでいきますが、自らをWEB小説にしてくれたスポンサーのために、毎回毎回、一生懸命販促活動を繰り返します。
しかし、それが少しずつ彼らの足を引っ張り、いつの間にか感謝の姿勢が変容していくのです。
そのからくりに読者は少しずつ絡め取られ、販促アピールの都度、ムフフと声を漏らすことになるでしょう。
モヤさんの新境地。全く見たことのない実験的小説。
面白いのは間違いありません。みなさまもどうぞ。