ある幻想小説家の、誠実(讃岐ふう)
- ★★★ Excellent!!!
物語作家が「現実の自分」を語るときの距離感はさまざまで、エンターテイメントとして「読ませる」方も多く、それはとても愉快で楽しい読書体験を与えてくれます
いっぽうで、静謐に自己を見つめ描く作品もあり、本作は後者であると思います
このエッセイには、我が身を削る誠実さを感じるのです
と言っても、語り口は軽妙で、讃岐うどんをすすっていくかのごとく、するすると読むことができます
讃岐うどんて……、コシがあるのよ
小学校の給食に出てくるソフト麺とは、ちがうのよ
どなたさまも、本作のどこかの箇所で引っかかりをおぼえるのではないでしょうか
引っかかったなら、どうか噛みしめて、味わってみてください
良質のエッセイです