第2話 魔法陣方式コンピュータ&通信機
まずは開発環境を整えよう。
コンピュータはあらゆることにおいて基本である。これがないととてつもなく不便だ。なので早速開発に取り掛かる。
まず、プログラムファイルと実行中の変数、フラグ等のRAMを分ける必要がある。厳密に言えばその必要はないのだが、そっちのほうが楽だからそうする。
設計として、内蔵レジスタがA1、A2、A3レジスタ(演算機能あり)、B1~7レジスタ(データ転送やシフト時の一時保管場所)、C1aレジスタ(読み取りMA《メモリアドレス》1の読み取り開始場所を記憶)、C1bレジスタ(読み取りMAの読み取り開所場所からの相対位置)C2aレジスタ、C2bレジスタ、C3aレジスタ、C3bレジスタであり、これらは0~fで管理される。
外部レジスタとして、PF1~4レジスタ(プログラムファイルなどをROMから読み取る)とK1~4レジスタ(データの一時保管)がある。これから僕が作るコンピュータの基本形がこいつだ。
Aレジスタはこのコンピュータにおいて最も重要なレジスタである。A1レジスタに保管された情報とA2レジスタに保管された情報で演算し、A3レジスタに出力する。Aレジスタにある演算機能は、
・比較
・浮動小数点数の比較(IEEE754方式)
・加減算
・浮動小数点数加減算(IEEE754方式)
である。浮動小数点数を扱う関係上、Aレジスタは32bitである。
Bレジスタは外部レジスタのデータ管理に使用されるレジスタである。たとえばデータを転送する場合、一度Bレジスタを経由して転送される。
Cレジスタはアクセスする外部メモリを決めるレジスタである。Caレジスタで開始時点を記録し、Cbレジスタでそこから何ブロック先を読み取る(相対ジャンプ)か指定する。
PFレジスタはROMに書かれた拡張子に従いROMを読み込む。
命令セットは...... 書かなくていいだろう。長過ぎる。300を超える命令たちをすべて書くのは馬鹿げてる。
全体的にかなり基本的だが演算能力自体は高いピーキーな32bitコンピュータになった。こいつをYNYD-C32-Aと名付ける
また、浮動小数点数演算機能とBit数を削いだ、8bitのYNYD-C8-Aも作った。こいつはAレジスタのBit数が8bitになって浮動小数点数演算ができなくなっている。
次に通信機である。瞬時に情報を伝達できるようになってから戦争は大きく変わった。情報伝達はときに戦局や被害を大きく変える。
普通に電波を使っても良いのだが、ここには発電施設や電池なんてない。よってこの世界において電波は現実的な方法ではないだろう。
では実用的な通信手段はなんだろうか。やはり確実に通信できるのは有線方式だろう。しかし有線方式は移動できない。
そこで、光の出番である。光は豆電球や炎のように熱の次ぐらいによく出てくるエネルギーだ。まあ理論的には電波と変わらないのだが、波長が短いので制御しやすい。そして光をそのまま出すと混線しまくるのでレーザーみたいにしないといけない。よって指向性をもたせる必要があるが、まず最初に発信局の位置を特定する必要がある。そこは電波に任せよう。強力だし。
システム構成としては以下の通りである。
・電波発信装置
・電波受信機
・自由角レーザー照射器
・レーザー受信機
・反射板
・コンピュータ(YNYD-C8-A)
まず、通信を開始する際、こちらの識別番号と相手の識別番号を電波で発信、相手はもし自分の識別番号と一致した場合、電波受信機によって感知した方向にレーザーで自分の識別番号を発信する。そしてその光を受け取った側はカメラモドキによって感知された方向にレーザーを照射し通信。反射板によって帰ってきた光に合わせ再び発信機の向きを調節する... という動作を繰り返し通信する。
反射板はちょうど立方体のある一点に接する三面のような形をしており、入ってきた方向にそのまま方向を反転させ反射する。
通信はYNYD-C8-Aに組み込まれたソフトウェアのワープロ機によって通信を行う。また、YNYD-C32-Aを搭載した物には音声読み上げ機能によって読み上げることも可能だ。ワープロの変換表はASCIIあり、これによって通信機は完成、また量産も可能だ。これをYNYD-CEW-1と名付ける。
また、比較的近距離であれば、電波のように垂れ流すこともできる。これで普通の音声通信も可能だ。これはただ信号を周波数に変換し増幅するだけでよいのでかなり簡単だ。で、こっちはYNYD-CEL-1と名付ける。
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