第15話 キャンバス

  部屋の照明は落とされている。窓から差し込む月明かりが二人を照らしているので、二人がシルエットの状態ではない。ただ、昼間のように鮮明に二人の姿を捉えるのは難しかった。


「せ、先生……その筆で一体何をするつもりなんですか?」


 背もたれの後ろに回された手を、ロープのようなもので結ばれている。椅子にくくりつけられているワケではないのに身動きできないでいる女子生徒。繰り返すが、俺は女性が嫌いなわけではないのだ。


「何をするつもりって? そんなの決まってるじゃない……私は美術教師よ……時々、無性に創作意欲に駆られることがあるの。あなたのような、可愛い題材が見つかった時は特に……あなたには私のキャンバスになってもらうわ」


(あの黒髪の女の人は美術の先生なのか……ってか、学校内でさすがにこれはヤバいでしょう……学校外でもヤバいけど……)


 ヤバいと思いつつも、目の前で繰り広げられている行為を止めなければという思いは全くない。むしろ、この続きを早く見たいと思っている正直な自分がいる……それでは……続きをどうぞ!


「きゃ、キャンバスって……一体何を……?」


「うふふっ…分かってるくせに…」


 そう言って優しく笑うと、美術教師は女生徒の首筋にそっと絵筆を走らせた。


「はうっんっ!!」


 柔らかそうな筆先で首筋をそっと撫でられた女子生徒の身体がビクンと跳ねる。彼女の唇から、甘い吐息が溢れ出ている。


「うふっ……すっごく可愛い声……ねぇ……もっと聞かせてくれないかしら?」


「い、いやっ…お願いします…こ、こんなこと…やめて…はぁうんっ!」


 首筋を撫でる筆先が、徐々に下へと滑ってゆく。綺麗に浮き出た鎖骨を通り過ぎると、なだらかな丘陵の脇を通り、湾曲した膨らみのくぼみに筆先が走った。


「ここのラインがとっても魅力的よ」


 膨らみの下のラインに沿って、美術教師は、キャンバスに色を重ねてゆくように、何度も左右に筆先を滑らせている。


「ぁっ……ぁああんっ!」


 女子生徒は身体をビクビクさせながら、堪えきれない吐息を漏らし続けていた。


「いいわ……すごく素敵……でも、もっと可愛い声……聞かせてほしいな」


「そ、そんな……む、無理です、そんなこと……」


「あら……無理じゃないわよ……女の子なら誰でも自然と出てくるものなんだから……ほら、こうすれば自然に……ねっ?」


 膨らみの下を何度も撫でていた筆先が、徐々に上がってゆく。


「ぁんっ……ぁあっ!」


 筆が上がってゆくにつれ、少女の吐息が徐々に熱を帯びてゆく。


「うふっ……ほらね……でも……もっと〇な声……出るわよね?」


 美術教師はうふふっと笑うと、膨らみの中央に向かって筆先を滑らせる。


「はぁあううんっ!」


 女子生徒の声を聞くと、女教師は満足げな笑みを浮かべながら、さらに筆で彼女の肌を撫でてゆく。

  部屋の照明は落とされている。窓から差し込む月明かりが二人を照らしているので、二人がシルエットの状態ではない。ただ、昼間のように鮮明に二人の姿を捉えるのは難しかった。


「せ、先生……その筆で一体何をするつもりなんですか?」


 背もたれの後ろに回された手を、ロープのようなもので結ばれている。椅子にくくりつけられているワケではないのに身動きできないでいる女子生徒。繰り返すが、俺は女性が嫌いなわけではないのだ。


「何をするつもりって? そんなの決まってるじゃない……私は美術教師よ……時々、無性に創作意欲に駆られることがあるの。あなたのような、可愛い題材が見つかった時は特に……あなたには私のキャンバスになってもらうわ」


(あの黒髪の女の人は美術の先生なのか……ってか、学校内でさすがにこれはヤバいでしょう……学校外でもヤバいけど……)


 ヤバいと思いつつも、目の前で繰り広げられている行為を止めなければという思いは全くない。むしろ、この続きを早く見たいと思っている正直な自分がいる……それでは、続きをどうぞっ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る