第13話 池2

 フランシールが池に落ちた。大変だ!


「ぷあっ!足が!ぷあっ!つかない!助けて!ぷあっ!」


 フランシールが溺れている。俺じゃ助けられない。人を呼ばなきゃ!俺は屋敷に向かって走り出した。屋敷に入って階段を上がる。ここがセリアの部屋だな。俺は器用にドアを開けて中に入った。


「にゃー!」

「おや?君はフランシール殿下の猫じゃないか。どうしたんだい?」

「にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!」

「フランシール殿下に何かあったんだね?よし!案内したまえ!」


 おお、セリアが察しがよくてよかった。よし、ついてこい!俺たちは池の前まで行ったがフランシールがいない。どこだ?


「ねえ、忌み子がしずんじゃったわ。あんた助けなさいよ」

「嫌だよ。何で俺が」


 アホ共の話によるとフランシールは池にしずんでしまったらしい。


「にゃー!」

「池の中にフランシール殿下がいるんだね?まかせたまえ!」


 セリアが池の中に入っていく。すぐにフランシールを抱き上げた。フランシールを地面に横たわらせた。フランシールは動かない。


「ふむ、人口呼吸をするぞ」

「ごほっ!ごほっ!」


 フランシールは息を吹きかえした。やった!


「もう大丈夫だね。後はメイドに任せよう。私も濡れちゃった」


 セリアはフランシールを抱きかかえて屋敷に入っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る