第22話
『設定が切り替わりました。デバイスを起動し直します』
目の前が切り替わる。
(いいぞ……新たにウォッチ機能とカメラ機能が追加されているはずだ…なにか変化を探そう)
確認すると、いつものステータスと地図の表示に加え、右上に「19:12」の項目、右下に▲のマークが新たに表示されていた。
(19:12は今の時間だ。おそらく時間に関する機能だろう……先に謎の▲のマークから調べるか…)
早速、▲のマークを注視すると▲のマークが消え、左下にカメラ、フォルダ、▼マークの順に項目が表示される。さらにカメラの項目を注視すると他の表示がすべて消え、真ん中に〇のマークが表示される。
(ん…なんだ…とりあえず〇を注視するか…なにも変わらないな…)
〇を注視すると魔力が使われることは感じるが特に変化はなかった。キャンセルすると、元の表示に戻る。
(謎だ…)
とりあえず、カメラの項目は置いておき、フォルダの項目に移ることにする。フォルダの項目を注視すると目の前の風景を小さくしたものがいくつか表示される。
(なるほど!さっきの〇のマークを注視した時の風景を切り取ることができるのか…)
(今は思いつかないが、いろいろ使える気がする…使用方法は後で考えよう)
フォルダをキャンセルし、最後の▼マークを注視すると、カメラ、フォルダ、▼マークの項目が消え、▲のマークが表示された。
(おそらく、これがカメラ機能だろう。じゃあ右上の時間がウォッチ機能か…)
19:18と変化した右上の項目を注視する。デバイスに魔力を使われ、右上の表示が以下のように切り替わる。
19:18
アラーム:OFF 00:00◀▶
タイマー:OFF 00:00◀▶
カウント:OFF 00:00◀▶
(恐らく、ウォッチ機能は時間に関係する機能だろう…1つずつ確認してみるか……、この機能について知ってるという方は読み飛ばしてもらって構わない…)
試行錯誤の結果、アラームが◀▶をそれぞれ注視すると00:00の値を変えることができ、その値が現在の時刻と一致すると、デバイスから『設定時刻になりました』と頭にくり返し届けられる機能だ。OFFの時には時刻が一致しても、頭に声は届かなかった。
タイマーも同様に◀▶で値を変えることができ、ONにするとその値が1秒単位で下がり、00:00になるとデバイスから『設定時間が過ぎました』と頭に届けられる機能だ。OFFにすると値は変わらなくなる。
カウントはタイマーとは逆にONにすると値が1秒単位で上がっていく機能だ。カウントの◀は他とは違い、注視する毎にその時のカウントの値が項目の下に追加されていき、▶を注視すると一番新しい◀で追加された項目を消すことができる。OFFにすると値が00:00に戻り、◀で追加された項目もすべて消える。
(アラーム機能は起きる時間に設定しておけば寝過ごすことがなくなるな……他二つも使える機能だ……)
ウォッチ機能を調べ終わった後、気になった点を少し検証し、デバイスについて一度まとめることにした。
・デバイスは合計必要起動魔力がデバイス内にないと起動できない。
・デバイスの起動時間は30分、それを過ぎると再度デバイス内の魔力を使用して起動しなければならない。
・デバイスは意識して停止することができ、その時間は起動時間の30分に含まれず、再度使用するときも、デバイス内の魔力を使用しない。
・デバイスは起動時以外はデバイス内の魔力を使用せず、注視による操作や設定、ON/OFFの切替時に装着者の魔力を1使う。
・デバイスには、自己と他者のステータスを見ることができる自己/他者ステータス機能、上からどこでも見れるマップ機能、時間に関するウォッチ機能、風景を切り取り保存するカメラ機能の5つの機能がある。設定でそれぞれON/OFFの切替ができ、OFFにすると合計必要起動魔力を少なくすることができる。
・デバイスは1分で魔力を1作ることができ、魔力を300まで貯めることができる。自己魔力も供給できるが、デバイスに優先して使われるのは、デバイスが作り出した魔力である。
(疲れた…新しく発見した機能の活用方法は後で考えることにして…もう寝よう…)
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