ご利用は計画的に

DA☆

ご利用は計画的に

 フルダイブ型RPGを始めた。このゲームの宝箱は、大きいほどレアだが鍵や罠の解除が難しい。迷宮探索を続け、駆け出しにも開けられる小さな宝箱を、やっと見つけた。


 小気味よい音を立てて蓋が開いた。すると、キラキラ光る煙が立ち上った。アイテムをくれたり体力回復をしてくれる妖精が出てくる兆候だ。


 でも、なんだこの金色の煙? もしかして超レア?!


 「もーかってまっかー」関西弁の妖精が現れた。「おカネ、入り用と違う?」


 お。お金をくれる妖精なのか! ちょうどジリ貧だったのだ。「欲しい!」そう言ってしまった。


 「ほな1000Gな。利子トイチで。10分1割いう意味でっせ」


 妖精はお金をムリヤリ財布に突っ込むと、煙に戻って消えてしまった。


 え……借金?


 それからは10分ごとに、ヤクザめいた強面の妖精が現れ、利子を取り立てるようになった。低レベルの身では、10分で利子分の100Gを稼ぐなど不可能だ。たちまち元本を取り崩し、妖精は現れるたび有り金全部奪う強盗と化した。


 ムリだこんなの。やめよう。と思ったら、ログアウトできなくなっていた。ゲーム世界に閉じ込められたのだ。完済するまで、永遠に……。

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