第3話 さぁ楽しみの別荘へ!



 メルセデス・ベンツ・Gクラスが離発着場のガレージから発車する。

舗装された道路を走り出し、一件の店に車を停める。


「ここが、この村の最後の店なんだ。ここから先には、もう店は無い」


 賢治が言うと、


「じゃ、この店で食料調達ね」


 晴子が応える。


 店の中は寂れた感じもなく、色々と揃っていた。

日用雑貨もあり、食料は保存の効く冷凍食品が多い。

酒の種類もまぁまぁ豊富で、ビールに洋酒、日本酒もあり、銘柄に拘りがなければ全ての種類が買えそうである。


「わぁ、ピザも有るわ。私、大好き」


 と麻美子がはしゃいで言うと、


「タバスコも買い忘れるなよ」


 と正道がいう。


 四人が、あれこれと冷凍食品などや酒を買っていると、やたら騒がしい四人組の若い男達が店に入って来た。

そんな事も気にせずに男女四人は食料を買い漁っている。


「ねぇ、賢治。日用品は買わなくてもいいの?」


「殆ど揃っている筈だけど、自分にとって必要な物があれば買うといいよ」


「あ、俺、歯ブラシ持ってくるの忘れたよ」


「嫌だぁ、正道、汚いよ。キスはお預けだからね」


 そんな男女の会話を聞きながら、騒がしかった男四人組が会話をやめて、やたらニヤニヤして、見えないように女の方を指差す。


 都会の雰囲気を醸し出す大人びた美女に可愛らしい女の子。


「おい、お前、どっちが好みだ?」


「そうだなぁ、やっぱ別嬪さんかな。お前はどっちだよ」


「決まってるだろ」


「可愛い子ちゃんか?」


「馬鹿を言うなよ、両方さ」


「それ、いいねぇ」


 などと下卑た笑いを浮かべてコソコソと話をしている。


「それじゃ、両方、頂いちゃいますか?」


 そんなことを言った一人の男に、


「あの二人の男の内、一人は優男やさおとこだ、問題ない。残りの一人は結構強そうだが、四対一なら、これも問題無ぇだろう。街へ出る前になんとかしようぜ」

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