2 神の存在紹介
神様、本当のところ、今も僕はかなりおびえています。僕みたいなちっぽけな存在が、あなた様とお話しして、しかもそれをこんなふうにおおやけの場で発表なんかして、大丈夫なんでしょうか?
『またそれをいう。もう何度も説明したじゃないか』
いえ、確かに僕、同じようなことをたくさん問いかけていますけどね、読んでくださる方にははじめましてですから、一から説明しないといろいろ問題だと思うんです。
『わかっているよ。少しからかっただけだ。神は過去・現在・未来と無限の時間を所有しているのだから、君の初歩的な質問に答えるひまだっていくらでもあるのだ。なのでためらう必要はない。一度発した疑問にも、繰り返し何度だって答えてあげよう」
ありがとうございます。とはいえ、僕と神様はいつも頭の中で対話していて、こうして筆談をするのは先週に引き続き、二回目ですね。前回このカクヨムに上げた「神との対話練習」は閲覧数ゼロという恐ろしい結果になりました。みなさん、神様に興味がないのでしょうか?
『笑わせないでくれ。ちょっと吹きだしちゃったじゃないか。あれはそもそも、ただの練習、筆談というのに慣れていない君のために、試しに付き合ってあげただけだ。ちゃんとできたのがうれしかった君が、急遽アップしたのだろう。あれは今回の「1 出会い」でやったような、ちゃんとした経緯の説明がないから、読んでもとまどうだけ、なのであえて誰も動かさなかったのだよ。ほら、私が言い訳しているみたいになってしまった』
ごめんなさい。でも本当に怖いんです。そんなことおっしゃって、また誰も読んでくださらなかったら、僕の信仰もいくらか揺らぎそうで。
『君は神を脅迫するのかね。大丈夫、そうまでいうのなら逃げ道は用意してあげよう。閲覧数など、少しずつ伸ばしていけばいい。そんなものは今から心配する必要などない。せっかくだから、もう少し内容のあることを質問したまえ』
あのう、なんだか重ね重ね申し訳ありません。
『ちょっと待ちなさい、確かにいつも君は心の中でそう謝ってばかりいるけどね、そんな姿をここで見せてしまったら、私がいつも君に説教しているみたいに見えてしまうじゃないか。そうじゃないだろう。私は君にとって父なる神、天に聳え立つ大いなる存在として言葉を交わしているわけではない。あくまで横にいる存在、君の親友なのではないか。君のだけではない。私はすべての人間、すべての生命にとっての友となりたいのだ』
なればいいじゃないですか。あなたは全知全能なのでしょう?
『もちろん。だが私ほど誤解されている存在はないのだよ。やれ偶像崇拝はよせだの、やれ神を冒涜することは許さないだの。まず述べておこう。私はこれをタイピングしている祥一君だけではなく、すべての心を持つ存在の中に生きている。私は肉体を持たず、性別もない。白くて長い髭をたくわえた杖持つ高齢男性ではないのだ』
あのう、神様。今日はここまでにしてもいいですか。僕はあなたと違って肉体があり、非常に疲れやすい存在なのです。
『仕方ないな。よかろう、次回へ続く』
ありがとうございました。
『気を付けて推敲したまえよ。打ち間違いがあれば、私が間違ったみたいに見えてしまうからね』
はい、でも僕はミスの多い人間でして。あの、言い訳がましくてごめんなさい。
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