第18話

作業の休憩の合間に分析結果を確認する。

予想できていたことではあるがこのままでは食べられないようだ。

だが、AIの予測ではいくつかの工程を得れば食べられる可能性があることを示していた。

宇宙船の整備を1回止めてその作業を行う。

全ての作業を終えるのに1日ほど使ってしまったが肉を食べられる可能性があるなら安いものだろう。

作業を終えた肉を再び分析機にかける。

分析している間に宇宙船の整備を再開した。

宇宙船の整備は順調に進んでいるこの調子なら予定通りに整備を終えられそうだ。

肉を食べるのは整備を終えてからにすると決めて精力的に整備を進めていく。

「よし。これで最後だな」

幸繁は整備の工程を全て確認し問題がないことを確認した。

後は自動診断で問題がないかを確認するだけだ。

幸繁はプログラムを起動して自動診断を開始させる。

この作業にはしばらく時間がかかるため分析機にかけていた肉の確認をする。

「よしよし。問題はなさそうだな」

AIの診断では食べても問題ないと出ていた。

「やっぱ肉と言えばステーキだよな」

幸繁は分厚く肉をカットして焼いていく。

調味料は残念ながらないがそれでも肉を食べられると思うと涎が止まらなかった。

念のためじっくりと焼いてから食べやすいサイズにカットする。

「それではいただきます」

幸繁は肉を食べてみる。

癖はあるがそれでも久しぶりの肉だ。

噛めば噛むほど肉汁が溢れ出てくる。

ステーキをあっという間になくなってしまった。

「よし。食べられることが分かったし、保存している残りの肉も処理してしまうか」

幸繁は保存庫から原生生物の肉を取り出すと黙々と作業を開始した。

全ての肉を処理するのに3日ほどかかったが食は大事なので仕方ない。

「さてと。宇宙船の方はどうかな?」

幸繁は走らせていた自動診断の結果を確認する。

「よし。こっちも問題ないな。他にすることはあったかな?」

食の問題も解決したし設備も順調に増えている。

何か不足しているものはあっただろうかと考える。

「ん~。あえていうなら娯楽か・・・」

しなければならない作業は次から次へと出てくるがそれだけではストレスが溜まる。

銃を撃つことである程度は緩和されたがそれだけでは限界があるだろう。

「何かいいのないかな?」

幸繁は宇宙船にインストールされているプログラムを確認する。

だが、生存に特化したプログラムはインストールされているが娯楽系のプログラムは1つもなかった。

幸繁は駄目元でAIに聞いてみることにした。

「新しいプログラムの作成は可能か?」

その返答は物によっては可能というものだった。

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