第3話

幸繁は周辺の星々を調査していた。

残念ながら可住可能な惑星は見つからない。

だが、資源や燃料を補充するには良さそうな星は発見することができた。

採掘ツールは資源が集まれば増やすことが可能な為、将来的にはこちらにも設置すればいいだろう。

「それにしても色々な星があるんだな」

可住可能な惑星こそ見つからなかったものの探索をしてみれば実に様々なことがわかった。

環境は様々だが昔は水が流れていたであろう跡があったりと興味深い。

幸繁はそれらの星のことを記録に残すことにした。

「まぁ・・・。誰に見せるってわけでもないんだけどな」

地球から追放された身では貴重なデータを共有する相手もいない。

「昔と比べれば人類も進歩はしてるんだろうけど現状は片道切符だしな」

人類は少し前まではステーションを構築して滞在するぐらいしかできていなかった。

こうして片道とは言え宇宙に進出していることを考えれば技術が進歩したのは言うまでもない。

「有人で探索するにはクリアしないといけない課題がまだまだ多いし、仕方ないか」

1つは燃料の問題。

有人で探索して無事に地球まで戻るには帰りの分の燃料を確保しなければならない。

もう1つの問題は星の環境だ。

月などは安定して降りられるようになったが他の惑星ではその星特有の環境に宇宙船を耐えられるようにしなければならない。

現在の地球の技術ではまだまだそこまでクリアするのが難しいのだ。

「取りあえず補給拠点まで戻るか」

出来ることはしたので資源がどれぐらい溜まったか確認する為に1度、補給拠点に戻ることにした。



「う~ん・・・。これしか集まっていないのか」

採掘ツールと燃料の補給装置を確認してがっかりする。

効率は悪いと思っていたが予想を下回る量しか確保できていなかった。

「燃料の問題もあるししばらくは待機するか」

下手に動き回って余計な燃料を消費するわけにはいかない。

この拠点に戻ってこれなくなっては本当に活動できなくなってしまう。

「取りあえず採掘ツールより燃料の補給装置が最優先だな」

幸いガス惑星も発見できている為、そちらに補給装置を設置できれば燃料問題を気にしなくても大丈夫になるはずだ。

「この隙間時間に何をするか・・・」

そこにAIが提案してくる。

「隙間時間があるなら装備の点検をお勧めします」

「あぁ・・・。確かに。他には何があるか全く知らなかったな」

幸繁はAIの助けを借りつつ装備の確認を開始した。

宇宙船には性能は低いが惑星を開発するのに必要な物が詰め込まれていた。

後は数は少ないが作物の種や芋類の種芋などもあるようだ。

下手に弄ると駄目にする可能性もある為、どこにあるかだけ頭の中に入れておけばいいだろう。

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