報われない幼馴染~バッドエンドロストメモリー~
コトワリ
プロローグ
これから起こる未来を想像すれば、広がるのは咽び泣きたいほど、両の眼球を放り出したいとさえ意識的に感じるほど残酷で無情な光景だった。
起き上がり背伸びをしようとしても、すぐさま体はその身を支えられなくなり、薄く反発もしないベッドに倒れ込む。脳裏に焼き付くのは何重にも重なった君の死体。
ベットの柔らかさが嫌と言うほどわかる重圧感に、何をしたらいいのか漠としてわかっているくせに働かない頭の困惑。
「…これが正解なのか。」
もう何年、この数年間を過ごしたんだろう。
わからない。わかってしまいたくない。それは水を泡にするようなものだから。
「……行こう、さっきあの子にあんなこと言ったんだ。ここで動かなきゃ僕のやってきたことが…。」
いや、違うか。
「やってきたことを、やってなかったことにするのか…」
先ほど水の泡にしたくないと感じたものだが、よくよく考えたら今からその行為を自らしに行くんだった。皮肉なものだ。
長く長く正解を探していた割には壮大でもなんでもなく、あっけない終わり方だな。
突然知らされるにはあまりにも大きすぎる事実。もうとっくに壊れていたはずの心が、ポロポロと崩れていく音がした気がした。何を落としてしまっているのかはわからない。
「…行こう」
部屋を出て、靴を履いて、家を出て、『呼ぶ』
僕が追い求めていた答えを間接的に、地獄のような方法で、じわじわと教えさせた存在。
呼ばれたソイツは、悪魔みたいな顔をして天使のような姿をして
僕にこういうんだ。
「さぁ、今回は何を失いましょうか。」
わかってるくせに、僕に残された道はもう一つしか残ってないことを。
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