第2話 新手の詐欺で草

「…疲れたなぁ」


 今日もバイトを終え、家の青いマットで寛ぐ。

 初夏が訪れ、大学生活にも慣れてきた。サークルの活動も楽しいし、友人もそこそこ出来た。

 何ら不自由のない生活だったと思う。


 いつも通り、俺は冷蔵庫から麦茶を取りだしてコップに注ぐ。

 それを飲みながら、スマホでニュースでも見る。


「はえー、宗教教団で潰し合い…ねえ」


 事件やどうでもいいニュースの中から、特に気になるものを見つけたため、それを読む。


「救世信光団…?」


 聞き馴染みのない教団だ。どうやら、そこともう一つのそこそこデカイとこが、潰し合いになったそうだ。それこそ、異能をバチバチに使っての殺し合いで。

 ちなみに救世信光団が負けたらしい。


 それにしても、異能が戦闘向けなのは羨ましいことだ。

 俺なんてハッタリぐらいにしか使えないからな。


「ま、使えたとこでってとこもあるか」


 仮に戦闘向きの異能を持ってても警察とかになる訳じゃないし、宝の持ち腐れか。


 ま、ともかく今日はさっさと寝よ。

 俺はスマホを置いて風呂場に行く。


 ユニットバスで湯を貯めるのも億劫だったので、軽くシャワーだけで済ました。

 髪を拭きながらリビングに戻ると、スマホに着信が来ていた。


「非通知かよ」


 詐欺とかだろうか。そう思いながら電源を切ろうとすると、スマホが振動し始めた。


 画面には非通知と表示されている。


「しつこい詐欺業者だな」


 やられてばかりでは癪なので、ここはひとつ電話に出て鼓膜破壊シャウトをしてやるか。

 最悪ここから追い出されてもいい覚悟で。


 そんなことを考えながら、通話に出る。


「もしもし?」


『……』


「もしもしィ!!」


『あ、あぁ…』


 聞いた感じ若い女の声だ。しかもなんか震えてる。

 ふっ、臆したか。だが今のはたった3パーセントのシャウトだ。


 心の中でドヤっていると、推定詐欺業者の女が喋り始めた。


『やはり…やはり、予言は間違ってはいなかった。教祖様、今迎えに参ります』


「へ?」

『お待ちください、直ぐに参ります』


「な、何言ってんすか?」

『ああ、教祖様、そのお声を聞かせていただけるだけで私は志向の悦びに打ち震えます。どうしてそのように尊いお声なのでしょうか、やはりそのお声は(以下略)』


「ひえっ」


 俺はあまりの迫力と矢継ぎ早のセリフにビビり、電話を切った。


 ど、どうなってんだ、新手の宗教勧誘か?

 教祖詐欺?なんかタイムリーだな。


 恐らく新手の特殊詐欺だということで、ネタ半分と注意喚起半分でスレを立てることにした。


『電話でたら教祖なったけど質問ある?』

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