第10話(サブストーリー) 揉みます?

 大ちゃんが元気になる魔法の秘策を思いついてしまった。

 よし、提案してみよう。


「大ちゃん!」


 ぺしぺし!


 さっきまで泣いていた大ちゃんの背中を叩く。

 泣き疲れてもう寝ていたのか、不機嫌そうな顔でこちらに向く大ちゃん。


 え、なんか、寝起きの大ちゃん……かわいいな。


「んだよう……」

「えと、その……」


 いかんいかん、変な感情が芽生えるとこだった。

 それはそれとして、早く提案してしまおう。


「おっぱい……揉みます?」

「っぶほあ!」


 吐血するかのように口を開き、唾液を撒き散らす大ちゃん。

 汚い…………!


「うわ! 何すんの! 汚いなぁ、もう」

「それはこっちのセリフだ馬鹿女! なんて汚いやり方すんじゃボケが!」

「え! そこまで言わなくてもよくない!? ていうか! 汚いって何が!?」

「どうせ、男ならおっぱい揉めば元気になるだろう……とか考えたんだろ!?」

「そうですけど!?」

「その考えがほんっとうにきったねえ!」

「ええ!?」

「ええ!? じゃねえよ! もっとマシな励まし方を考えてくれって話だアホ!」


 今度はこっちが涙を流す番になりました。

 私は今、ぽたぽた水を零しています。


「そ……」

「なんかごめん……ん? そ?」

「ぞごまで言わなぐでもいいじゃない!」


 ガバッ!

 対面上で一緒に寝そべっている相手の左手を無理やり掴む。


「へ?」


 ムニュ!

 呆けている隙に、私のおっぱいを触らせる。


「…………!?」


 数秒間の静寂のうちに、状況を理解し始めた大ちゃんが、何も言えずにみるみる顔を赤くさせていく。私はムスッとしているはずだ、おそらく。そのムスッとした顔をさらに強調させるため、頬に空気を溜め込む。そして、大ちゃんの顔をじっと見つめる。


 大ちゃんは顔を赤くしたまま、私のおっぱいを触ったまま、下を向く。

 なんだか私まで恥ずかしくなって、下を向く。


 顔、赤いかもしれない……。


「あ、あのさ……」

「なによ……」

「もう少し、このままでもいいか……」

「……うん」


 大ちゃんが寝るまで、私はおっぱいを触らせた。

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