吸血鬼×現代バトルアクション×近未来SF

2043年の近未来日本を舞台に、強大な吸血鬼と対峙する人類の悲壮な戦いが描かれるダークファンタジーです。第1・2話では、社会背景や主人公の現状が描かれます。

高校生が吸血鬼に襲われ、ハンターの一員として憎悪と称号を胸に立ち上がる姿が描かれ、戦慄と緊迫の導入が胸を打ちます。

説明は丁寧で重厚な世界観が魅力です。派手なチートではなく、訓練と苦闘を経ながら少しずつ戦力をつけていく“リアルな成長譚”が軸となっており、緻密な戦闘描写と心理描写のバランスもよく、『アンナチュラル』のように現代社会と非日常(吸血鬼)を織り交ぜたリアル寄りの展開や、『ストレンジ・シップ』のような異能特化よりも世界のリアルに根差した“人間の戦い”が印象的です。また、実在の国際秩序の崩壊から始まる世界構築は、社会派SFとも通じ、物語に奥行きを与えています。

序盤から読者を作品世界へと引き込む力があります。ダークファンタジーと現代バトルを求める方におすすめ。

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