新しい私に生まれ変わる!

関口 ジュリエッタ

新しい私に生まれ変わる

 今私は重い悩みを抱えているそれは私の旦那が浮気をしていることだ。

 

 あれは三日前のこと迎山千尋むかいやまちひろは夕飯の支度をしていると旦那の迎山健太けんたが仕事から帰ってきたので出迎えに玄関に迎える。


「お帰りなさい」

「……」

「返事くらいしたらどうなの!」

「ただいま」


 なんなのこいつむかつく! わざわざ出迎えてきたのに!

 

「ねえ、明日は会社は休みでしょ。私明日は休日出勤だから家事全般お願いね」

「嫌だよ。会社終わったらお前がやればいいだろ」

「どうして私が疲れて帰って来て掃除をしなくちゃいけないのよ! あなたがやってよ!」

「俺が掃除するとグチグチ言うだろ」

「だってちゃんと掃除できてないからでしょ! それに料理も手抜きだし」

「うるせぇな。わかったよ」


 グチグチと小言を吐きながら脱衣所へと向かう。

 私は着替えを持って脱衣所へ行くと旦那の来ていたスーツから女の付ける香水の匂いがした。

 確信とは言えないが恐る恐るスマホのメッセンジャーアプリを起動し見ると知らない女との卑猥なやり取りをしていた。


 健太のヤツ! 浮気をしてるなんて最低!!


 後日、会社に出社して友人にこのこと話すと友人はなぜか、健太の味方をしたのだ。


「それは浮気されて当然だよ」

「まさか雛菊ひなぎくが私の旦那の味方をするなんて」

「あのさ掃除が苦手でも一生懸命健太さんは掃除をしてくれたのよ。仮に千尋が掃除が苦手でも一生懸命掃除したのに健太さんに指摘されたらどう思う」

「うっ……、イラつく」

「今イラついた感情は健太さんも同じ感情を抱いていると思うよ。料理だって作ってくれたりしていたんだから優しい旦那さんじゃん」


 よくよく考えれば新婚の時は私が仕事に出勤しているときは掃除や洗濯、料理だって率先してやっていた。家事が苦手でも私のために。

 

「私決めたわ!」

「どうした!?」

 

 勢いよく両手でデスクを叩きつけて立ち上がる私の姿に雛菊は驚く。


「もう一度旦那を振り向かせる」


 それから一ヶ月間、友人の協力で毎日ジムに行き激しい運動をした結果、身体が引き締まり三十五歳の身体とは思えないほどの若返りをした。

 自分で言うのも何だか元々容姿はかなり良く高校時代の頃はクラスの男子にたくさん告白された過去がある。

 今日も仕事終わりのジムから帰り、自宅で夕飯の支度をしていると旦那が帰ってきた。


「今帰ったぞ」

「お帰りなさい」

「おっ、おう」


 見取れてる見取れてる。


「ご飯にする? それともお風呂にする?」

「いつも通り風呂に入るよ」


 そわそわしてる旦那を横目で見て、私は着替えを持って脱衣所へと向かう。

 スーツは女の付ける香水の匂いはしなく、スマホを見ると不倫の女のアカウントは削除されていた。

 浴室で入浴中の健太に私は話しかける。


「あのさ健太」

「ん、何だ?」

「ごめんね。一生懸命私のために家事をしてくれたのに私はそれを否定し、ダメだしばかりして。私は健太の妻として失格だよ」


 少しの間を置いて健太は優しく言葉を返してきた。

 

「俺も素っ気ない態度をとってしまったからな。子供みたいなことをしてすまなかった。俺たちもう一度、一からやり直そう」

「うん」

「来週の休みデートにいかないか? 欲しいものなんでも買ってやるよ」

「うん。ありがとう、それじゃ着替え置いておくね。――あっ! それから私の欲しい物は

「…………」

 

 私は着替えを置いて脱衣所から出て、途中だった夕飯作りに戻るのであった。

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