2025.04.05(土)/猫が足りない

 猫が足りない。


 とにかく猫が足りない。


 オキシトシン不足もはなはだだしい。


 以前から私と交流してくれている方はご存知かも知れないが、私は猫が好きだ。現在は一人暮らしをしている上に、住んでいる賃貸はペット不可なので飼えないし、猫のために割けるお金も無いので飼えないのが残念だ。


 実家には二匹の猫がいて、一匹はサバトラのオス、一匹は茶トラのメスである。


 そもそも、私はいつから猫が好きなのか。不思議なことに、自分でもハッキリしない。小学校に上がる頃には、通学路にいる野良猫を構いたくて追いかけていた記憶があるので、たぶん生粋の猫好きなのだと思う。なんなら本能レベルかも知れない。


 人間の代表的なペットである犬と並んで、猫にもたくさんの品種がある。私は、もしも自分が飼うなら短毛種の猫を飼いたい。単純に短毛種が好きだから、というのもあるけれど、長毛種には高温多湿の日本での生活は辛そうだから、というのもある。でも長毛種のホワホワした毛並みも魅力的だ。


 猫の良いところはどこか、と聞かれたら、私はまっ先に「顔」と答える。


 そう、顔。顔だ。あまりにも可愛すぎる。小作りな顔立ち、三角の耳、ぴょんぴょんと生えたヒゲ、キラキラした大きな目。口の中には、肉食獣顔負けの尖った歯。そんな顔なのに、鳴き声は「にゃー」である。あまりにも可愛い。


 猫はとても表情豊かだと思う。ついさっきまで乙女のような顔をしていたと思ったら、次に見た時はオッサンみたいな顔になっていたりする。肉体と同じように、表情も流体なのかも知れない。


 尻尾の長さにも、実はいろいろ呼び方があるらしいというのを最近知った。友達にそれを言ったら「猫好きなのに知らなかったの?」と驚かれたけど、短くても長くてもどっちにせよ猫は尻尾まで可愛いのだ。


 こんな風に可愛がっていても、実家で一緒に暮らしていた猫は意外と冷めていた。冷めていた、というか、マイペース。気が向かない時は徹底して人間に見向きもしない。自分から寄ってきて、ひとしきり満足したら、「あんがと、じゃ」とばかりにお気に入りのエリアに戻っていく。


 逆に、構い足りないと「なに撫でるのやめてるんだ!」と不満そうに睨む。色々な猫飼いさんの話を聞いていると、中には鳴いて催促してくる猫や、体をとても動かしてアピールしてくる猫もいるらしい。


 その猫たちと比較すると、私の実家の猫たちは『察してちゃん』タイプだったわけだ。


 実家の猫の思い出を書いてきたが、一言でまとめると、実家の猫に会いたくてたまらないのである。二匹とも、人間は自分たちを撫でまわす存在だと信じて疑わないので、床に座るとすぐに膝に乗ってくる。あの重みと体温はたまらない。


 なお、長々と猫の話を書いてきたけど、そんな藤野家が最初に飼ったペットは、実は犬だった。そして、実は猫二匹に加えて、去年から犬を再び飼い始めている。


 とはいえ意外と長くなってしまったので、藤野家の犬の話は、また気が向いた時にでも。

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