14-2 二年生・一月(8)
真っ先に飛び込んできたのは濃い錆色だった。くっさ! めったに掃除なんかされないんだろう、カビ臭さがあたしの鼻と視覚へ同時に飛び込んでくる。地面は無骨なコンクリート、壁はびっしりとあつらえられた配電盤で、いかにも裏方という雰囲気の室内。
その奥に、色褪せたモニターが白々と灯り、その傍らでは小さな箱状の機械が稼働音を立てていた。
「おっと、これは……」
そこに立つ人物があたしの方を振り向く。あたしは荒れた息の合間を縫って言った。
「あんたがラルヴァの管理者だったなんて。前、訊いた時はとぼけてたんだね──丹堂セン」
国語教師のノーマルメガネ、丹堂センが驚いたような顔であたしを見ていた。
「兎褄か……どうしてここが」
「入るとこ見てた」
あたしは憮然と言う。気がつけたのは偶然でしかない。もし、あたしたちが淡々と校内を巡っていただけなら、捜索対象外の教師である丹堂センは捜査網に引っかからず、サーバーは見つからずじまいでラルヴァは復旧していたはず……。
思えば、堀川がラルヴァを普通に見ているところから、管理者=生徒とは限らないと疑ってかかるべきだった。そんな反省も怒りに置換されて、あたしの中にふつふつと溜まっていく。
「っていうか、何? センセーたちがSNS禁止しといて、その裏ではセンセーが裏SNSを管理してるとか、笑えないんだけど。しかも、国語教師の丹堂センが……ねえ、これ、説明できんの?」
「やれやれ、参ったね」
重苦しく溜め息を吐きながら、丹堂センはモニターに目を戻す。
あたしは余計苛立って、丹堂センに詰め寄った。
「参ってるのはこっちなんだよ! ラルヴァ、そのサーバーごとあたしたちに明け渡してもらうから!」
「……サーバーを落としたのはただの遊びじゃなく、それが目的か」
丹堂センはしゃがみこみ、稼働を続ける小さな箱──ラルヴァのサーバーにしているんだろう、小型デスクトップPCに手を置いた。。
「兎褄、そんなことより、どうして僕がこの小屋の鍵を開けっぱなしにしていたか、気にならない? 誰か来そうなら、閉めておけばいいものを」
「え?」
突然の質問にあたしは扉の方を振り返る。確かに閉めておけば安全にラルヴァの復旧はできたはずなのに──と思った瞬間、あたしは強い力で突き飛ばされた。
「うっ!」
ドン、と壁に叩きつけられる。その衝撃に脚がもつれて、膝をついてしまった。その目の前を、丹堂センはPCを抱えてものすごい勢いで飛び出していく。あたしは目を見張った。
あいつ! こんなか弱い女子生徒をぶっ飛ばして逃げやがった!
痛みよりもブチギレの方が夥しかった。ちくしょー、鍵閉めてなかったのは、単に誰かが来るとか考えてなかっただけだ! あんなわざらしいブラフに騙されるなんて! あたしのマヌケ! そそっかしい! さっさと追わなくちゃ!
あたしはすぐに立ち上がると、小屋を飛び出した。小脇にPCを抱えた丹堂センは、ラグビーのフォワードみたいに駆けていく。勢いだけ見ると一級品だけど、丹堂センがスポーツ堪能という噂は聞かない。重い機材を運びながら、あたしから、いや、共犯者たちから逃げ切れると思うなよ。あたしは地面を蹴った。
「逃げても意味ないよ! 学校中の全員があんたを探してる! それ持ち出したって、もうラルヴァに未来はないんだから!」
あたしは叫びながら丹堂センの後を追う。丹堂センはあたしをチラと見やると、大声で言い返してくる。
「いや、ラルヴァは『幽霊』、何度でも蘇る! 何度でも世曜高校に秩序をもたらすんだ!」
「はあ? な、何言ってんの!」
丹堂センはメガネを真っ白に光らせながら力説した。
「兎褄も見てきたはずだよ! ラルヴァのおかげで誰もが風紀を守り、問題を起こさず、清廉な高校生にふさわしい生活を送るようになった! 視察にやってきたどの教育関係者も、感嘆していくくらいにね! ラルヴァは世曜高校の秩序の礎なんだっ。これを失った世曜高校はきっと堕落する。だから、渡すわけにはいかない!」
「はぁーーーーーーっ?」
何言ってんだコイツ、ディストピアの筆頭信者みたいなこと言い出した。そんなことのせいで愛沙先輩は留年したっていうの? そのせいで麻路が苦しんでるっていうの?
いや、でも、教師視点から見れば、ラルヴァってものすごい便利なツールなのかも知れない。何せ勝手に生徒同士が監視し合って、牽制し合って、丸く収まってくれる。表向きは誰にも突っ込まれる隙のない、絵に描いたような「高校生」を演じてくれる。
そんな裏SNSの存在は、コテコテのAI教育人間の丹堂センにとってはありがたいに決まっていた。無駄な生徒指導の時間をカットして、その分、教えることに手間をかけることができるんだから、あたしみたいな貧弱女子高生を張り飛ばしてでも保守したくなるわ。それで「ちゃんと手を差し伸べてあげようって気持ちになるんだよね」とか言ってたと思うと面白い。ふざけんなよ。そんなのただの束縛DV男じゃねえか。
まあ、一応、その心理を理解できないことはないけど、受け入れるかどうかはまっっったくの別の問題だ。あたしは激怒していた。絶対にラルヴァはぶっ潰す。あの解像度のなさすぎるラグビーボールみたいな筐体に宿った幽霊を消し去る。除霊する。それでこの問題にきっぱりとカタをつける。麻路のために、愛沙先輩のために、健翔はついでに──。
丹堂センがどこに向かっているかは明白だった。駐車場だ。あたし如き小娘が相手ならPCをセーブしながら自分の車に乗り込み、逃げ去ることができるだろう。丹堂センは火事場のバカ力でも働いてるのか、全然追いつけなかった。
あれ、これヤバイかも? と脳裏を過った時、上から麻路の声が降ってきた。
「ホシは丹堂先生! 駐車場に逃走中! 近い人は全員駐車場に向かって! 遠い人は持ち場に移動して!」
びっくりして校舎の最上階を見ると、麻路が窓から身を乗り出して地上の共犯者たちに指示を飛ばして、動かしてる。すご! なんだそれ、かっこいい! リアル人間将棋じゃん。そんな憧憬の眼差しを送っていたら、なんと麻路と目が合った。あのお祭りの日も、ああやってあたしを見つけ出したんだろうか。
麻路はあたしの視線から何を受け取ったのか、こくり、と大きくうなずくとひゅっと身体を引っ込めた。銀色の残り香が窓のあたりに漂う。こんな距離でも匂うのか──とあたしは自分の鼻のすごさに改めてドン引きした。
ようやく見えてきた駐車場は生徒が続々と駆けつけ、ハンターだらけの逃走中の会場みたいになっていた。それを見た丹堂センは、足を止めてたたらを踏む。あちこちから生徒たちが押し寄せ、逃げ場を失ってるようだった。
「いけない……これを、失うわけには……」
窮した丹堂センは近くの小ぶりな垣根を飛び越すと、地階の渡り廊下に土足であがり込んだ。あたしもそれに続いて追っかける。
校舎はどこも共犯者たちによって封鎖されていた。丹堂センは憐れにもラルヴァアンチな生徒たちに追い込まれる形で、ついに第一体育館に逃げ込んでいく。式典なんかをやる一番でかい体育館だ。ここを突っ切って、向かいの裏口から人気の少なそうな駐輪場に出ればワンチャン──と思ったんだろうけど、残念、そっちからも生徒が入ってきたので、丹堂センの背中についた絶望ゲージがにゅっと伸びた。健翔の布置、無駄がなさ過ぎでしょ。
窮した丹堂センはなすすべもなくステージの袖へと逃げ込んでいく。そこに入ってしまったらもう壇上に出るしかない。チェックメイトだ。
追ってあたしがステージに上がると、丹堂センは呆然と佇んでいた。息を切らしてる。あたしもいい加減、限界だった。それでも言いたいことがあったので、遠慮なくぶちまける。
「はあ……はあ……見損なったよ丹堂セン……いつか、もう少し大人を信用しても大丈夫だ、って言ってくれたくせに、あんたがラルヴァを運営してるなんて、大嘘にもほどがあるよ」
「大嘘じゃない……ラルヴァがあればこそ、君たちは優秀な世曜高生として認知されるんだ。可愛い生徒である君たちが良く見られて欲しい、って願う僕の心は嘘じゃない」
はあ? あたしの頭に、クワッ、と大量の血が流れ込んできた。
「そんな体面なんて上っ面のペラッペラの話じゃん! 裏ではくだんねーゴシップの応酬ばっか、そのせいで心の安まらない人だっているんだよ!」
「そもそも世間というものが、そういうものだろう。誰もが表向きは体よく取り繕って、裏では感情を渦巻かせている。でも、ラルヴァは違う。そのバランスを最適な形でレギュレートして、最良の形で出力してくれる極めて特異なコミュニケーション形態のモデルケースなんだ。その恩恵を被っておいて、否定するのは違うんじゃないのか」
うへー、マッドなヤツだ。話が通じない、と肌でひしひしと感じる。
でも──ラルヴァを見つめるものは、同時にラルヴァに見返されている。少なくとも、そういう想像に縛られている。そんな独りよがりな理念家の丹堂センにもあたしたちに通じるものがあるはず。あたしは正にそこを衝くために、口を開いた。
「そう言えるのは、あんたがラルヴァを上から見てる時だけだよ」
「上から……それは、どういう意味?」
「わかるでしょ、あんたも世曜高に毎日通って、ラルヴァを見てるんならさ……その正体からは逃れられないよ」
あたしはステージの下、客席にあたる方を示してやる。丹堂センはそちらを見やると、顔を引きつらせた。
そこには、今日の計画に参加してくれた共犯者たち、百人以上がスマートフォンを片手に舞台上の丹堂センを見つめていた。視線視線視線──そこで演じられているのは、あたしと麻路がこの二ヶ月間でかき集めた注目度を具現化した景色。お客さんとは違う、たまたまそこにいて、匿名で、存在が希薄で、意思がある、
「丹堂セン、ラルヴァを管理してるってことはラルヴァを見てもいるんだよね。ってことは、少なからずこう思ってるはずだよ。──自分が見るのはいいけど、自分が書かれるのは嫌だって。だから、丹堂センだって相対的に優しい先生を演じてきたんじゃないの」
管理者とかいう上位存在気取りで、大層なお題目言って、偉そうなことをのたまったとしても、日常の中では結局、ひとりのラルヴァ民にしか過ぎない。そのことを誰よりも理解しているからこそ、丹堂センは自分が管理者であることを隠して、親切な先生に徹してきた。
もし正体を知られれば最後──誰もがラルヴァの裏に丹堂センのことを意識する。
その事実に、丹堂センの管理者としての自意識が耐えられないから。
あたしは、顔を青白くする丹堂センに向けてまくし立てた。
「もし、ラルヴァがこのまま再稼働したら、真っ先に話題になるのは丹堂センのことだよ。それはもう、ズガーッて書かれまくるだろうね。娯楽に飢えた世曜生がこんな滋養たっぷりの話題を見逃すわけない。お祭り騒ぎで全員大集合、今度は工作するまでもなくサーバーが落っこちるんじゃない? あんたはそれでもまたラルヴァを蘇らせる? 自分を小馬鹿にし続ける空間のために? 自分の教育理念のために? 学校の評判のために──?」
「……そんな脅しで僕を思いとどまらせるつもりかい」
丹堂センは震える声で反撃してくる。
「君はわかってるのか? ラルヴァがなくなって、見る必要も見られる必要もなくなった生徒たちは、自分勝手に振る舞い始めるだろう。その結果、せっかく世曜高の築き上げてきたブランドが、十年先には剥がれ落ちてしまっているかも知れない。その責任を君は取れるのか?」
「知らないよ、そんなの」
何を言ってるんだ。意味がわからん。あたしは一言で切り捨てる。
「あたしは丹堂セン自身に訊いてるんだよ。本当にラルヴァを必要だと思っているのかって。もし思ってないなら、その箱をあたしたちに渡して。もし必要だっていうなら、ここにいる誰も止めないから、あの小汚い小屋に戻って再起動したら?」
「兎褄──」
丹堂センの口元が痙攣し始める。ラルヴァを管理する論理とラルヴァを見る匿名者としての論理が、その頭の中でぶつかり合ってるように見える。
言え。あたしは心の中で念じる。ラルヴァなんかないほうが良い、って言うんだ。
長い時間の葛藤の末──丹堂センはあたしから後ずさり始めた。自分の気持ちを抑え込んで、学校の都合を優先しようとしてる。いい大人だ。
「……あんたがそうするのは別にいいけどさ、ひとつ、いい?」
あたしはそんな大人に目を細めて言った。
「丹堂セン、お子さんいるんでしょ。その子が成長して、高校生になった時……同じ環境にいれてあげよう、って思うわけ?」
その時、丹堂センの目がブレた気がした。ブブブブブブ、と怖い映画の演出みたいに。
バ、バグった……あまりにもクリティカルな地雷だったみたいで、壊れてしまったらしい。そんな人間の挙動を目にしたのは初めてだった。全力の動揺。
こんな隙だらけになることある? あたしはシンプルに思ったことを口にした。
「いや、そんな、子供に誇れないようなことをやってる時点で、もうダメじゃん」
ブ、と丹堂センのブレが止まった。トドメが入ったらしい。
「こ、子供のことは……」
そして、丹堂センはガク、とあたしの方へ一歩踏み出したかと思うと。
「──言うなああああああああああ!」
激昂。そう叫び、PCの筐体を持ち上げて、あたしめがけて殴りかかってきた。その豹変ぶり、大の男の怒声、勢い、そして明白な害意が、一気に襲いかかってきて──。
「ひっ──」
怖い……あたしは全身が凍ったように動けなかった。ぎゅっとつむった目の裏に綺麗な虹が浮かぶ。あたしにとって、虹は恐怖の匂いそのもの。あたしは恐ろしいものを予感している。
もうあんなに痛いのは嫌だ。あんなに怖いのも嫌だ。
助けて──。
そんなか細い声が漏れた直後、ぶおん、と鈍く空を切る音がして、
ごっ、と硬い音が鳴る。
喉から悲鳴が出た。痛くない。何の感触もない。
あれ、もしかして、あたし、死んじゃった……?
「碧子」
その時、目の裏の虹色が、銀色に変わった。あたしは目を開く。光が飛び込んでくる。
そこにはすごい形相をした丹堂センと、振り下ろされたPCを軽々片手で受け止める麻路の後ろ姿があった。
「麻路!」
「あなた、ずっとめちゃくちゃ言い過ぎ……でも」
麻路はちら、とあたしを目線だけで見やって。
「よく言った」
「あ……」
カ、カッコいい……あたしはもう全身真っ赤になって、なんかもう、その場でタジタジになってしまった。そんなあたしを置いて、麻路は顔を真っ青にしている丹堂センに告げる。
「丹堂先生、今日、明らかになったことは全て学校側に報告します。学校の規則で禁止されているSNSの運営を、教師が行っていたことは問題視されるべきです」
「く……さ、最初から、勝負は決まってたんじゃないか……い、今に見ていろ……堕落するよ……君たち、全員……」
勝負は決まったのに、まだそんなことを抜かしてくる。あたしは麻路の横に並んで言った。
「そうかもね。でも『人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない』……でしょ? 坂口安吾の『堕落論』。あたしにみっちり教えてくれたのは丹堂センだったよね」
「ああ……教えたことで刺し返される。それが教育ということか……」
よくわからないことを呆然と呟く丹堂センの手からPCが離れ、麻路の手に収まった。
「やった……」
あたしはステージ下の共犯者たちの方を振り返ると、両手をグッと挙げてみせた。
「やったー! ラルヴァ確保したぞ! あたしたちの勝ちだ!」
すかさず、ワーッ! と歓声があがる……と思いきや、あたしの叫びが反響した後、しーんと沈黙が下りた。みんなすんとした表情であたしを見上げている。ええ?
「な、なに、その反応……あの、もうラルヴァないからね。感情爆発させていいんだからね。コソコソしたり、なんでもないフリしなくていいんだからね」
あたしが今の場面の説明をすると、あ、そうか、という風に共犯者たちの目が丸くなり、それからどうしたらいいかと辺りをきょろきょろし始め、そのうち、パチパチ、とどこからともなく拍手が上がった。つられて拍手が伝播していき、やがて、ひとつのお芝居が終わった後みたいなセンセーションになった。さながらスタンディングオベーション。これはこれで終わった感じがあって良いけど、もっとキャアア! とか、ワーッ! とか叫びなさいよ。
まあ──これはこれで、繊細で大胆な世曜生っぽくていいか。
「……本当に、ラルヴァをなくすことができるなんて」
麻路があたしの横に立って言った。ラルヴァ本機は駆けつけた健翔と情報メディア部員に回収されている。これから然るべき手順を以って封印されるんだろう。
あたしは得意になって胸を張った。
「だから言ったでしょ。方法がわかってるならやるだけだって。これで愛沙先輩も安心だね」
「うん……そうね」
「あ、そうだ、手、大丈夫? 怪我してない?」
そう言ってあたしは、丹堂セン渾身の一撃を受け止めていた手を取ろうとする。
けど、その麻路は逃げるように手を引っ込めてしまった。
「だ、大丈夫、なんともないから」
「え? あっ……」
そっか。ラルヴァがなくなった以上、もう、あたしたちが関係を続ける意味はない。これから麻路にとってあたしは──強いて触れ合う必要のない、ただの友達のひとりになる。
正直、めちゃくちゃ寂しい、けど、仕方ない……仕方ないことなんだ。
「ああ、麻路強いもんね。あのくらいへっちゃらか! へへ、守ってくれてありがと」
あたしは動揺に気づかれないように、務めて明るく言う。
「ううん……間に合って良かった……」
麻路はあたしの掴みかけた手を胸元にあて、もう片方の手でぎゅっと握りしめていた。
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