面白い

自由に生きるためには、困難を乗り越えるためには、今直面している問題を解決するには、どの『強さ』が必要なのか。可能性に渡れる能力を駆使してその時に応じた力を選択し、敵を駆逐する。そしてその経験を通じて、可能性を広げていく。「未来の自分の努力の結果が今手に入る」と聞くと、一見努力というものを否定するような能力に思えてしまうが、実際はそうではなく、努力をすればするだけ無限に強くなれるし、強さの幅が無限に広がる。なにより面白いなと思ったのは、『渡り』そのものはディになにかしらの才能を与えるものではないということ。得ることの出来る強さ、力は結局のところディが努力をした結果のものであり、『可能性を渡って力を手に入れることが出来る』という事実そのものが、ディが大切にしている「地道な努力は裏切らない」という言葉を証明している。これからディがどんな世界を渡り、どんな可能性を手に入れて、そしてどうやってイリスの完全殺害に至るのか楽しみで仕方ありません。

痛快。とにかく読む手の止まらない作品です。