第47話


二人はグラスを傾けながら、さらに打ち解けていった。酔いが回ってきた高橋香織は、少し大胆な質問を投げかけた。


「ねえ、高井さん。もしかして、彼氏とかいるの?」


高井まどかは、照れくさそうに微笑んだ。「実は、結婚してるんです」


高橋香織は、驚きの声を上げた。「えー!そうなの!?全然、そんな風に見えなかったから、ビックリしたわ!」


高井まどかは、くすくす笑いながら答えた。「よく言われます(笑)でも、本当に結婚してるんですよ。もう結婚して3年になります」


高橋香織は、興味津々に身を乗り出した。「えー!すごい!どんな人なの?お仕事は何してるの?」


高井まどかは、嬉しそうに語り始めた。「彼は、普通の会社員です。優しくて、誠実で、本当に素敵な人なんです」


「へえー!羨ましい!それで、どうやって知り合ったの?やっぱり、合コンとか?」高橋香織は、さらに質問攻めにした。


高井まどかは、首を横に振った。「それが、ちょっと変わった出会い方だったんです。実は、私たち夫婦のキューピットは、社長なんですよ!」


高橋香織は、目を丸くした。「えー!マジで!?一体どういうこと!?」


高井まどかは、笑いながら、馴れ初めを語り始めた。「当時、私は、まだアトリエシノハラに入社したばかりで、仕事にも慣れていなくて、毎日、残業続きだったんです。そんな私を心配して、社長が、よく食事に連れて行ってくれたんです」


「それで、それで?」高橋香織は、続きを促した。


「ある日、社長が、知り合いの男性を紹介してくれたんです。それが、今の私の夫なんです。社長は、『高井さんには、きっと、この人が合うと思う』って言って、私たちを引き合わせてくれたんです」


高橋香織は、感嘆の声を上げた。「へえー!すごい!社長って、本当に、人のことよく見てるのね!」


高井まどかは、頷いた。「ええ、本当に。社長には、感謝してもしきれません。もし、社長がいなかったら、今の私は、どうなっていただろうか……」


高橋香織は、しみじみと語った。「本当に、片岡社長って、すごい人なのね。私も、もっと、社長のことを知りたいし、仲良くなりたいな」


高井まどかは、微笑んだ。「きっと、そうなれますよ。高橋さんなら、きっと、社長の信頼を得られるはずです」


高橋香織は、決意を新たにした。「ありがとう。頑張るわ!」

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