第46話
菜々美と高橋香織がバーを後にすると、高井まどかは一人取り残され、再びグラスを傾け始めた。先ほどの騒動を思い出し、思わず笑みがこぼれる。
「まったく、あの社長ったら…!」
高井まどかは呆れながらも、どこか嬉しそうだった。
しばらくして、高橋香織が少し酔った様子で話しかけてきた。
「ねえ、高井さん。さっきから思ってたんだけど、あなたと社長って、本当に仲が良いのね」
高井まどかは少し照れながら答えた。「まあ、長い付き合いですから。それに、社長はああ見えて、意外と寂しがり屋なんですよ」
「え、あのカリスマ社長が?信じられない(笑)」高橋香織は目を丸くした。
「それが本当なんです。社長は普段、完璧な姿しか見せませんが、実は、誰よりも努力家で、常にプレッシャーを感じているんです。だから、たまにはこうして、羽目を外したくなるんでしょうね」
高橋香織は納得したように頷いた。「なるほどね。そう考えると、社長の意外な一面が見えてくるわ」
「そうでしょ?それに、社長は、本当に人の良いところを見つけるのが上手いんです。私なんて、最初はただのポンコツ秘書だったのに、ここまで育ててくれたんですから」
高井まどかは、感謝の念を込めて語った。
高橋香織は、感心したように高井まどかを見つめた。「高井さんも、社長のことを本当に尊敬しているのね」
「ええ、もちろん。社長は、私にとって、なくてはならない存在です。だから、私も、社長を全力で支えたいと思っています」
高橋香織は、笑みをこぼした。「ふふ、なんだか、あなたたちの関係を見ていると、心が温かくなるわ。私も、早く、あなたたちみたいに、社長と信頼関係を築けるようになりたいな」
高井まどかは、励ますように言った。「きっと、そうなれますよ。高橋さんなら、社長の期待に応えられると信じています」
高橋香織は、力強く頷いた。「ありがとう。頑張るわ」
高井まどかは、グラスを掲げた。「高橋さんの未来に、乾杯!」
高橋香織もグラスを掲げ、「乾杯!」
二人は、再びグラスを合わせ、笑い合った。
高井まどかは、高橋香織が、アトリエシノハラの一員として、素晴らしい活躍を見せてくれることを確信していた。
そして、菜々美と高井まどか、高橋香織の三人が、力を合わせ、アトリエシノハラを、さらに発展させていく未来を想像し、胸を躍らせた。
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