第2話

「んんクッ……!?」 








 爽やかなミントの香りに包まれながら瞳をパチッと見開く。






 彼の銀色の髪の毛が顔にサラッとかかり、高いシャープな鼻先が頬に触れ、薄くて柔らかめのしっとりした唇で塞がれていた。







「ゴクッ……/////」








 ぱっちりと瞳を見開いたまま、驚いてゴクッと、つい口の中に溜まった唾を飲み込み喉を鳴らす。






 朝からこんなの絶対におかしい。








 私の上に覆い被さっている状態の彼をどうしようかと迷う私の両手が彼の腰の辺りで止まる。







「んくッ……」







 首に添えられていた彼の手が肩におり、もう片方の手で頭の後ろを優しく撫でるように大きな掌で固定され、角度を変え互いの唇を合わせる甘いくちづけに大人しくされるがままになる。






 時雨さん……絶対に起きた事、気づいている筈。







 なのに離されない唇に、開かれない彼の瞼。







 ぺろ……――。






 私の唇の上を彼の唇の間から赤く染った舌が私の唇の上を探るように舐めとる。







 ……――どうしよう……辞めてくれそうに無いよね、これって……。







「ふぇッ……ちょッ……待っッん」






 唇に触れていた彼の赤みがかった舌が私の唇の間に強引に侵入し、容赦なく私の口の中を犯してく。







 気づいたら互いの身体を掴んでいる私達。







「はっ……」







 息苦しくなり、少し顔を横に向け息継ぎと見せかけてそのまま逃げようとした。







 グイッ……――。







 だけれど、「逃がさない」と言うかのように、顎を彼の指で掴まれ、元の位置に戻るように戻され、続きが始まる。







 今日もまただ。






 朝、彼が普通に起こしてくれない時が多々ある。






 アラーム1回で起きられない私が悪いんだよ。







 だけど、こんなの……されたら、されたで肩を掴むくらいの抵抗しか正直出来なくて……。






 少し強引過ぎるのでは?






 そんな事を思いながらも、そんな彼を自然と当たり前のように、受け止めている自分自身がいる。






 でも、流石に朝からこれは、時雨さん。






 愛が重過ぎるのでは無いですか……。

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