異端児の挽歌
大田商会
第一章 新人類
地球侵略者
第1話
21世紀の現代でも世界中の至るところにおいて謎の未確認飛行物体の目撃情報が後を断たない。
それは地球外生命体なのか?それとも偶然飛来した隕石の欠片なのか?
それはそこから更に一世紀が経過しようとも明かされる事はなかった。
百年後、地球人は文明の限界を迎えていた。
地球温暖化、世界紛争、強力な細菌ウィルスの蔓延が続き、世界中は徐々に混乱の域に達していく。
そんな地球人達の衰退を彼らは海底で待っていた…。
何世紀にも渡り、地球に飛来してきた地球外生命体は少しずつ数を増やし、海底から時折地上に上がっては地球を調査し続けてきた。
そして、地球が自分達の住みやすい土地であると認識した時、彼らは混乱に乗じて地上に侵出した。
爬虫類と人間を合わせたような容姿の地球外生命体達は、気体や液体に変化する能力を持ち、雨や湿気、時には地球人の必要とする水分に変化しながら人間に寄生して行った。
地球外生命体は人間の脳を支配し、寄生された人間は何の兆候もなく、死に至る。
生命体はそのまま脳を支配し、その人間として社会に潜伏して行った。
数百体の生命体は少しずつ人間を支配し、学んだ人間の生殖方法によって増え続けていく。
その数は一回の排卵で十人近くの個体を誕生させる。
それによって世界には地球外生命体の遺伝子を持つ新人類が密かな繁殖を続けていた。
「この星は我らにとっての楽園…。これ以上先住民族の好き勝手にさせてはならない!」
「今こそこの地球を侵略する時!」
地球外生命体の長達は、世界中に散らばる同胞にテレパシーで呼び掛け、遂に行動を開始し始めた。
それは一夜にして小国を占拠する程の力と勢いであり、地球人は静かにその数を減らしていく。
強靭な肉体力と特殊な超能力を併せ持つ地球外生命体に地球は敢えなく制圧されると思われたが、世界はこの状況に対応するべく、密かに最強の部隊を結成させていたのである。
地球外生命体に匹敵する人知を超えた力を持つ人間。
世界は彼等を超越人類(エクシーダー)と呼んだ。
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