第26話

――――――





「生かす意味などないはずよね」


「ああ」


「なら、どうして拒絶しないの。アタシを敵に回したい?」


「……」


「長年嘘をついていたなんて、許せないわ。今日アンタはあの子を家から追い出した。私の命令通り行動した。なのに、今更庇うの? 馬鹿馬鹿しいとは思わない?」



ヒナ兄ヒナ兄って懐いてくれていた近所の子。妹みたいに可愛がった。実際に昔は可愛かったしね。



けど時が経つにつれて受け入れられなくなってきて、最終的には憎くなった。



ヒナタはアタシじゃなくて葉月を好いていた。



小さい頃は顔が不細工でも子供だから愛らしいけど、大きくなれば顔が大事になってくる。だんだんと変わるのよ。



ヒナタはそれでも葉月を選んだ。アタシの方が絶対に美人だったのに。



“男”だから、対象にもなれなくて。




こんなにヒナタが好きなのに。好きなのに。好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに好きなのに。



駄目なもんは駄目らしい。認めたくなかった。ヒナタはアタシだけ見ていればいい。



大人になって整形した。女になった。身体も心も女。アタシより女な人間は身近にいないってくらい、オンナになった。



アタシってバレたらヒナタは受け入れてくれないから別人を装った。無意味にクズ男ばかりが寄ってくる。チヤホヤされるのは心地よかった。



それなのにヒナタはぜんっぜん、見向きもしてくれない!


どうしてなのか理解不能。葉月ばっかりで訳がわからない。愛してるのに気づいてすらもらえない。腹立たしかった。




だからアタシはヒナタを葬った。

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