第4話

換金して家に帰った。家って言っても私の家ではないけど。時刻は10時頃。



先程の二人は数ヶ月前にあのパチンコ店で偶然出会った人。友達と呼んで良い関係だったかどうかは、わからない。



私にはそういう人がたくさんいる。関係が曖昧だから「友達何人いる?」って言われたら、1人いるかどうかさえ危うい。



それでもなにも思っていない自分は、友人も恋人も必要性がないのだという風に考えている。




「あ、やっぱ帰ってくんだ」



ソファーでくつろいでいる男、ロウ。

あるいは、私を待っていたのか。


いやいやまさか。

冗談が過ぎて被害妄想。




「私、帰るところないから」


「あのね、お前みたいな突然人の家に転がり込んで住み着く疫病神は嫌われんの、要らないの。分かる?」


……、


「まあまあ、それでもあんた私のこと好きじゃん。ね」


「ね。じゃねえよバーカ、来いよ」


「クソツンデレでイラつくわ、あんた」



この男は、私の彼氏ではない。俗に言うセフレというものなのかもしれない。でも、私はそうは思っていない。



私の中でセフレというのは何の感情もないものを意味してきたから、この男だけはそうではない。



……と思い込んでるのかもしれないけど。腐れ縁で、私が何年も好きな人。好きな人と“客観的に”限りなくセフレに近い関係を続けてるのってどうなんだ自分。



洗面所で手を洗って服を着替えて、2人掛けソファーの左側に座る。彼が飲んでいる缶コーヒーを奪い取って飲んだ。



反応なし。



「ねえ」


「なんだよ黙ってろ」


「苦い」


「黙ってろよテレビ見てんだよ俺」



じゃあなんで呼んだんだ?

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