第2話

私が安堵の声で言うと栗林くんが今度はさっちゃんに話し掛ける。


「実地研修ってやつだけど…いい先輩に当たるといいな…川村。」


栗林くんは爽やかにさっちゃんに言う。

さっちゃんは


「そうだね。大島くんは綺麗な女性の先輩希望なんでしょ?」


と言って少し顔を引き吊らせながら大島くんに言った。


「ああ!

男なら当然っしょ?

なぁ、栗林。」


大島くんは満面の笑顔で栗林くんに言う。

栗林くんは


「そ、そうか?」


と困った顔で私を見た。


さ、さっちゃん…

顔がピクピク…。


さっちゃんは美人というより可愛いタイプ。髪はショートでサラサラだ。背は150代だろう。私より断然小さい。


私は、髪はちょっと長めのストレート。でもサラサラじゃない。


私は高校時代、女子サッカー部だったので、恐らくキューティクルはそこで全滅したと思う…。


大学は女子大だったので、今まで恋らしい恋をしたことがない…。


あーぁ…

健全なこの二十代前半の体を持て余すとは…


「阿久…、行こうか。」


栗林くんがボーッとしている私を覗き込んで爽やかな笑顔で言う。


こ、この人、いいなぁ…。彼氏になってくれないかなぁ…。

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