あなたの特別になりたいあたしは誰かの偶像
うびぞお
第1話 15歳
人気ガールズアイドルグループ、16アイデンティティー・エイジ。通称16アイエイは14歳から23歳の女の子16人で構成されている。どちらかといえば外見は清楚系だけど、演歌か、っていうくらい情念的な恋歌をダンサブルに表現するのが特徴。
あたしは、石峰
アイエイのセンターになったのは18歳の時だから、約2年間、センターを守ってきた。
それは、社長、あなたのため。
15歳
15歳、街で社長に直々にスカウトされた。社長と言っても若い女性だ。大手芸能事務所で大学時代からアルバイトをしていたところ、節税か何かのために暖簾分けされた下請けの弱小事務所を任されたんだって。当時の社長は、それこそ自分が芸能人をやればいいんじゃないか、って思うような、モデルのようなヤバい美女だった。
社長がスカウトしたのは5人。社長は、この5人を後の16アイデンティティー・エイジとなるアイドルグループのオーデイションに合格させようとしていた。他のどの子もあたしより可愛くて、自分が一番存在感がないように感じた。
「カオ、もっと堂々として」
社長があたしの目を覗き込む。
大丈夫、カオが一番綺麗だから
あたしにだけ聴こえる声で社長が囁く。
その声に背筋がぞくっとした。
……それは初めての欲情だった。
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