まだ振り返った景色が見えるのなら。

恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界

まだ振り返った景色が見えるのなら

 半分大人に足を突っ込んだような現状にいる。


 おなじような歩幅で隣を歩いていた人は、確かに将来に進み始める。すでに先の景色を歩いている人は、確かな将来を問うてくる。まだ子どもでいたいと思うにも、それは叶わないと自らの暗示にかかってしまう。


 未来へと目を向け掴もうとするほどに、未熟だったころの自分を忘れてしまう。覚めた後想起する夢のように、鮮明なものが剥落していく。


 いつまでも今を保てるように、最後のときに安らげるように。

 今を残しておこう、まだ振り返った景色が見えるのなら。

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まだ振り返った景色が見えるのなら。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro

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