鬼よりの返礼。闇より昏き櫃の中身とは。

平安の世は暗闇に閉ざされる。
魑魅魍魎の跳梁跋扈は夜の四十万にのみは
在らず。
 怨みの念は膾炙して伝播する。
呪詛、怨念の矛先は。
             其処にある。
人の心は世に随いて移ろう。
情けも無ければ、誠も無い。愚かな者を
嘲笑う。

     それは娘の姿をしていた。

 鬼からの礼物は如何なる品か。
恨み辛みを黒々と塗り固めた 闇 また闇
 闇から闇へ、又、闇の中。


黒い櫃が、鳴っている。

 

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