第2話

男性たちは執事試験というエリートな職。


ここで働けるのは幸運を使い切ったと思っている。


配信を開始。


最初は、女じゃないだろ的な理由で全く反応がなかった。


しかし、どんどん女と知れると怖くなるほど同接が増えていく。


「女っていうアドバンテージがもはや魔法なのですわぁああ」


無の境地に行きたくなるほどの数に膨れ上がる。


色々質問される。


それに答えていく。


だが、幻想は抱いてはいけない。


ここでうっかり自分と他の女性や幼女を同じ扱いにすると、大火傷。


色々スケジュールを組み、温めていたのでつっかえることなく進める。


注意事項を述べるとコメントがザクザクやってくる。


なんて、気持ちの良い配信なんだろうか。


世の中の配信者は、こんな気持ちなんだろうかと想像する。


私は、視聴者の数を見ないまま配信を続行する。


見ると恐ろしくなる小心者ゆえ。


配信を終えると、疲れて椅子に倒れ込むように座る。


周りのスタッフたちからの、拍手で終わりになる。


スタッフたちはお疲れ様と言ってくれた。


同接はかなり高かったので、投げ応援と呼ばれるものもたくさん来た。


ある意味金銭のこれは、どうすればいいのだろうと困る。


もらえると思っていなかったからこそ、使い道をどうしようかと思う。


好きなものを、買えと言われていたから好きなものを買うことにする。


「好きなものを変えて言われても、何を買えば良いの」


「お嬢様っぽいものを集めていけば」


「センス?」


候補を捻り出した。


それはいい!と賛同される。


男達は自分のイエスマン(良い意味で)なのでなにを言っても絶賛されてしまう。


困るんだよ、悩んでいる時は。


意見が欲しいのだ今は。


候補マンになってくれ。


仕方なくセンスとお嬢様らしいドレスをデザインして、発注した。


「二回目しますわー」


なんとかボロが出ないようにお嬢様言葉をやるようにしたけど、慣れない。


産まれてから使っていると言うわけじゃないから、ぎこちないまま。


二回目の配信はもらった投げ銭でセンスを買いました、ありがとうございます、的なことを言う配信。


「ということですので、なにを買えばいいか候補をコメントよろしくですの」


告げ終わると次々映像にコメントが流れていく。


読めるわきゃない。


コメントは使用人達が抜粋していく。


これなら、買いやすい。


二回目は一度目よりもほんの少しだけ余裕を持てた。


回数を重ねていくと、きっと慣れると祈る。


同接されていくとまた盛り上がる配信に、さようならと言葉を述べた。


「ごきげんようですのぉ」


センスをひらひらさせて、お終いにした。


ロアメイはなんとかやり切り、配信が終わると男達に拍手を贈られる。


女性視聴者も楽しいとコメントをくれているので、ホッとしていた。


また次も頑張ろうとご褒美のお菓子をモリモリ食べた。


それを撮影されており、のちに配信したらそれはそれですごかったとだけ言っておこう。

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男女比の女性が少ない世界でお嬢様配信 リーシャ @reesya

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