じれったくもゆっくりと距離が詰まっていく大人の恋愛小説

心に傷を持つ女と男、本来なら出逢う機会などほぼないにもかかわらず、偶然に出かけた雪降る温泉地で偶然に一緒になる。
その場はそのまま分かれて、再び日常に戻った矢先、ひょんなことから再会を果たす。
こうなると偶然は必然となって、二人の間はいつの間にか急速に進展していく。
小説では一気に男女の関係に、となりがちですが、そうは甘くありません。

これは子供の恋愛ではなく、分別ある大人の恋愛物語です。
その過程をじっくり見せていく作者様ならでは作風ですね。

心に深い傷があるからこそ、一歩がなかなか踏み出せないでいる。
本作のタグにあるとおり、じれったいです。それがまた妙味でもあります。

本当の恋愛ってそういうものですからね。
当然ながら紆余曲折あり、互いの心の傷の要因も絡まって、さらには恋敵らしき者も現れ、すんなりといかないところがいいんですよ。

それでも二人の距離はゆっくりと時間をかけて少しずつ詰まっていきます。
いつかその距離が0になるまで、その歩みは止まらないのでしょう。

大人が読むべき恋愛小説です。ご一読ください。自信をもってお薦めします。

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