第2話
起こさないようにベットから降りると、下に散らばっている服をかき集めて急いで着替える。
すると、どこかからブーブー、ブーブー、と着信を知らせるスマホの音が鳴り響いて、ビクッと肩を震わせた。
どうやら私の鞄の中で振動しているらしく、慌ててスマホを手に取り画面をスライドさせる。
ピタリ、と止んだ音にホッと息をついて、彼の様子を伺うと、爆睡しているのか、起きる気配のない彼に再度安堵の息をついて、改めてスマホの画面に目を向けた。
通話中になっており、微かに聞こえてくる声と表示されている名前にテンションが上がりそうになるのを必死に抑えて小声で返事をする。
「も、もしもーし…?」
「やっと繋がった!通話中になってるのに全然声聞こえないし、」
「る、流衣!」
「昨日あれから連絡…、ん?どうした?」
私の遮る声に異変を感じ取ってくれたのか、真剣味を帯びた声の主に、大まかに今の状況を伝えると、とりあえずそこから早く離れろとの命令をもらったので、通話を切ってそそくさとホテルを後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます