第六章
第34話 ミーティング
午前十時にはあと五分となっていた。新プロジェクトのためのミーティングが開かれる。リーダーの挨拶は予想できる。「本日の快晴のように……」、きっとこうなるほどに、実に心地よい天候になった。天気予報に反して。ところが、すでに着席していた作屋守は、今しがた開いたドアから入って来た人を見て、稲光と雷鳴をもろに受けた。いきなり立ち上がることもできなくなるほど、むしろ石像に化されたと言ってもおかしくはない。さすれば、彼女は石化の魔眼を持つ神話の魔物か。いや、違う。魔物どころではない。魔物は強烈な拍動を催させない。彼女はリサに似ていた。似ているどころではない。髪の長さも、肌艶も、歩き方もリサその人のそれだった。ミーティングが始まり、自己紹介を聞けば、その声質も呼吸の仕方もやはりリサそのものだった。リーダーの注意によってかろうじて心拍数は軽いジョギング程度にまで戻ったものの、話しには全く集中することができなかった。
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