勇者パーティーを裏切ったらざまぁされて滅びることになった王国の最後の三日間

パトリック①～王太子の苦悩～

　とりあえず父である前王を処刑することにした。

　母である前王妃もだ。

　この二人に関しては絶対だ。

　悲しくないわけがない。

　息子として最悪の選択だと思う。

　だが王家というか国家の存亡を前に、新たな国王となる自分が断固とした決断をしないわけにもいかない。

　なんとしても勇者に詫びを入れなければ父母どころか王家が根絶やしにされても文句は言えないのだ。

　最悪の場合、というかこのままいけば国家そのものがなくなるかもしれない。

　愚かとはいえ無知な国民が泥濘に泣き伏せるのを見て見ぬふりすることは許されない。

　私は王太子なのだから。