走馬灯ミュージアム

森村圭

第1話 終わりのはじまり

 僕に残された選択はもうこれしかないと思った。


 冬の始まりの冷たい空気が僕の頬を撫でていく。その空気の冷たさと同じくらい僕の心も冷たく固まっていた。


 いつになったらこの苦しみから抜け出すことができる?どうしたら僕は救われるのか?分からない。もう分からなかった。考えることもできないくらいに僕の心はもうボロボロだった。


 すると、僕の昔の記憶、小学生くらいの時の記憶が蘇ってきた。そうか、あの人みたいにすればいいんだ。あの人がしたように。


 嫌いなやつを消せばいいのだ。それしか僕が助かる方法はないと思った。


 僕は椅子から立ち上がり、歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る