40、記憶の旅路 (連綿・踏み出す・記憶)

 突然、連綿と脳に流れてくる記憶。

 それが誰のものなのかは分からない。

 けれど、温かくて、楽しくて、満たされて。

 ずっと欲しかったものだと感じた。

 私が? それとも記憶の主が?

 分からない。

 でも、不思議とまだ手に入れちゃダメな気がして。

「……行かなくちゃ」

 私は起き上がると、また足を踏み出した。

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