24、外れ

 ある秋の日、取引先から桃が送られてきた。

 なんでも旬の春を過ぎてできた珍しい桃だから、ぜひ食べて欲しいとの事。

 私は喜んで受け取ろうとしたが、なんと部下が勝手に突き返してしまっていたのだ。

 私が部下に問い詰めると、彼はこう答えた。

「季節外れの桃を食べて、殿下に何かあってはいけないので」

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