16、少女の飴玉 (お題:トンネル、飴玉、彼岸花)
トンネルを抜けた先に広がる赤い彼岸花。
その真ん中にぽつんと立つお墓の前に、少女は今日もいた。
「来たよ」
「いつもありがとね。はい、これ」
あどけない手から渡される、白い包装紙で包まれたいつもの飴玉。
けれど僕は受け取るだけで口にはしない。
この飴玉で彼女が死んだのを、僕は知っているから。
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