第8話

「逃げんなよ」




ニタリと笑う男達が不気味に見えて仕方がない。


無駄だとは思いながらも後ろに後ろに下がっていって、




「あ、」




トン、と背中に壁がくっついた。




「くくくっ、もう逃げ場はねぇなぁ」


「お前ら捕まえろ」




男達は壁が後ろにあると気付いていたから、距離を直ぐに縮めようとしなかったんだ。



二人が目の前にやってきて手を伸ばしてくる。




そして、後数センチ。




ーービュンッ




「いってぇっ!」

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