泣いちゃダメだと言い聞かせる

私が此処で泣いたら、戸倉君は、

きっと、慰める・・・・と、思う。

だから、

泣く事を我慢しなくちゃあいけない。

もっと、戸倉君は、怒っても、良いのだ。

それくらいの事を私はしたんだ。

泣かされても、自業自得なのだから・・

それを覚悟で、付いて来たのだから・・・


今更、何を言っても、過去は戻って来ない。

強くならなくちゃ、戸倉君を忘れるなら、

嫌われて、罵られて、・・・

それでも、

忘れられないかもしれないのに・・・・

自分で断ち切らないといけないのに、

弱くちゃあ、ダメだよ。


「だけど?」

鞠谷に、その続きを促しながら、

俺は、泣く事を必死に我慢していて、

涙を零さない鞠谷に、

『おやっ』っと、疑問を覚えた。


その上で、責める様に、俺は、続ける。

「建前なんか、聞きたくないぞ?

ちゃんと、自分の言葉で、俺に伝えろよ?

前も言ったけれど、俺から逃げだって、

今までの、繰り返しだぜ?

待っているだけは嫌だって、

鞠谷が言ったんだろ?

今度も・・・・

待っているだけのつもりなのか?」

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