春の更新サバイバル
京極道真
第1話 春休みはじまりはじまり
「今日から春休みだー。」小学生の弟は喜んでいる。
高2の僕はこれと言って小学生のようには喜べない・・・と言いたいが
僕も素直にやったあー春休みだあーと喜んでいる。
毎朝のベットでの挌闘もない。少し遅く起きても遅刻もしない。春休みは宿題もない。3月25日。春は平和だ。
「行ってきまーす。」弟の声。学童に行くようだ。母さん、父さんもとっくに仕事に出かけている時間だ。ベットの中から携帯を見る。午前9時半。
今日の予定は無。もう少し寝たい。
僕は布団を肩までかぶった。気持ちいい。このまま目を閉じてと思った瞬間。目の前に変な生き物が。あー、動いてる。目を合わせたら負けだ。
「コツン。」丸っこいネズミ?のような生命体が目の前にいる。手のひらサイズのその生命体は少し生意気に腕組みをして「ナオト、起きろよ。見えてるんだろう。俺様は春神のジンだ。」
もちろん僕は気づいていた。見えていた。でも見ないふりで。
春神ジンは更にツッコむ。「5秒以内に返事をしないと季節を冬に戻すぞ。」と今度は脅す。
「ジン、お前は春神のくせに性格が悪いぞ。」
「俺様は悪くない。せっかくの春休み。人間のナオトが怠けて退屈そうにダラダラしているのがかわいそうだから、俺様が声をかけてやってるんだ。逆に感謝してほしいくらいだ。」
「ナオト、つべこべ言うな。時間がない。時間は止まらない。もうすぐ25日が過ぎ去っていく。どうせ暇なんだろう。起きろ。ついて来い。」
コロコロした丸いネズミ。春の神、ジンが光を放った。次の瞬間、僕は時空を越えた。ここはどこだ?
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