優等生と優等生の恋

優等生の女の子と、そんな女の子に静かな恋をする男の子。
彼らが大人になって20歳になるまでを、少ない文章で表現している作品です。

「窓の外から聞こえる友達の笑い声を背中で聞きながら、「いい子」でいることに必死だった。」など、親の期待を背負って子ども時代を消費している優等生の女の子が、ある日弟をいじめから助けるため、意図せず「悪い子」になってしまう。
そんな彼女を助けるために、罪をかぶる彼女と同じだけ優しくて、きっと優秀な男の子の守り方がよかったです。
「ウイスキーのびんと、ほしのマークのついたタバコ」という、いかにも大人が思い描く「悪い子」が持っていそうな所持品を出すところが、切ないです。きっと封も開けられていないそれらを、この少年がどんな気持ちで、どんなふうに取って来たのかと思うと、胸がきゅっとなります。
いい純愛を読めました。ありがとうございます。

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