第23話 死神の大太刀 弐什参
転移紋章陣の処理を終えた一同は、
「大丈夫でしょうか?私はともかく、部下の甲冑は沙流川の物。敵と見なされて攻撃されるかもしれません。ここは一つ、
「いや、それでは時間がもったいない。」
土地勘のない
いろいろ考えた末に
「我等だけで盗賊共を殲滅してみるか。その方がまだ現実的な・・・。」
その言葉を聞いた
最期に
「その案に乗りましょう。全員が私と同意見のようですし。味方になるであろう者に刃を向けられるより良いかもしれません。その武勲があれば
「そう言ってもな。盗賊共がどれほど残っているのかまでは分からんのだぞ。やる気は買うが、この人数で対処できるとは・・・。」
「皆の者、聴け。今から不埒者共に制裁を加えに行くぞ。この地の守護者が誰であるかを分からせてやるのだ。急ぎ準備に入れ。」
「お、おい・・・。」
その場にいた者達が一斉に声を上げる。身を隠す事など考えていないほど大きな声。静止しようとした
皆が武具の点検に入る。今は
部下の動きを見ていた
「どうしたんですか?」
「いや、何でもない。」
「なに、心配には及びませんよ。
「そこに対して心配なんざしていない。だがよ、こちらから仕掛けるのなら目指すは圧勝だ。不抜けた戦いはしないように、気を抜くんじゃねぇぞって言っておけ。」
「無論です。」
「盗賊共は何処にいるんでしょうか。配置と地形によって攻め方が変わります故、詳しい地形等分かれば教えていただきたい。」
問われた
「盛り上がったところに水を差すようで悪いが、俺は何も知らんぞ。」
その返答を聞いた
「人をそんな目で見るんじゃねぇよ。だって仕方ないじゃないか、俺は流れ者なんだから。今ここにいるのだって得物の手入れが目的。そもそも、先に
「それでは予定の大幅な変更が必要。えー・・・それでは先に斥候を出して・・・。」
「斥候を出して戦力を分けるのは賛成しない。お前等にはここの土地勘が無い。迷った挙げ句に各個撃破されるのがオチだ。」
「それなら・・・。」
「僅かばかりの時間をくれ。知っていそうな者に心当たりがある。」
「・・・ったく。相変わらずの単独行動だな、おい。」
今から向う場所に他の誰かを連れて行くのは憚られた。
故に一人で向う必要がある。
「奴すぐに答えを出してくれるんだろうが、俺だけがこんな歩かなきゃならないなんて納得できねぇ。後で、
その後、黙々と歩き続けた
「奴に聞くのが一番手っ取り早いからな。土地神を情報屋みたいに使うのはどうかと思うが。」
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