第6話 死神の大太刀 陸
空は微かに白んでいるが外は暗いまま。太陽はまだ顔を出していない。
職人達の集落にいる
自室に戻った
「寝れん。気が立っているのだろうか。報告は済ませたし、
「気になったのは
よもや、
僅かな変化だったと思う。普段から将棋の相手をしている
そこまで考えたけれど、
先に頭を下げたのは
「お久しぶりです。」
「領主が一介の浪人なんかに頭を下げるもんじゃないぞ。」
「今の俺があるのはあの時貴方に助けられたからだ。」
反乱の鎮静など自分にとっては簡単な仕事だと、正直舐めていた。その考えが彼を窮地に追い込むことになる。
こんな事は速攻で終わらせてしまおう、ろくな作戦も考えずに武力で押し潰そう。それに異を唱えた部下の進言には耳を貸さなかった。彼は反乱軍を烏合の衆と断定した。そして、不用意に兵を動かした。
案の定それが悪手となる。
多くの兵を鎮静に向かわせた結果、手薄になった本陣が奇襲を受けた。本陣に残っていたのは僅か十数人。反乱兵達はその四倍。その際に
「いやいや、
「若気の至りってことにはならないだろうか。今となっては恥ずかしい限りです。」
「それはお互い様だろう?」
部屋の中に居るのは二人の男。彼らは声を上げて笑った。
その後で
一頻り笑い終えた二人。
「この度は部下が助けられたようだ。重ねてお礼を申し上げる。」
「いいから頭を下げるなって。大層な事をしたなんて思っていない。俺は突っかかってきた奴らを斬っただけだ。」
「偶然とは言え、結果として領地内で問題となっている盗賊の数も減らせた。俺としては感謝しかない。」
「人間、変わろうと思えば変われるものだ。調子が狂うぜ、まったく・・・。だが、奴らの残党はまだ残っているだろうよ。」
「宿場町や職人達に聞いた頭目の特徴と合致する者がいなかったからな。」
「あくまで噂の中で掴んだ特徴だ。実際に見れば全く違うかもしれん。」
「情報提供に感謝する。聞いてばかりで申し訳ないが、盗賊の残りはどれほど居るだろうか?正確でなくて大丈夫だ
「・・・五十から六十ってところだろうか。」
「そうか。」
指先が顎先に触れ思慮の構えを見せる
「討伐隊を編成せねばな。差し当たり問題になるのは、
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