第5話

 明日はそんなコンドウ君と、ほぼ2人でフロアを回さないといけない。


 利用者さんは23名、ほぼ全員が認知症だ。


 しかも徘徊と気分不安定の症状が目立つマルヤマさんが来る日だ。


 彼女がいるだけでフロアはてんてこ舞いなのだ。


 絶望だ。


 レモングラスのハーブティーをゆっくりとすすった。


 こういう時は音楽を聴こう。久石譲のベストアルバムを再生する。お香とハーブティーと音楽。私の生活に欠かせないものたち。


 これさえあれば、明日の仕事も乗り越えられそうな気がしてくる。



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